冬が来る前にする<カビ対策> 猛暑後の要注意場所「エアコン」「寝具」「クローゼット」の掃除法を徹底解説
猛暑で活躍した場所に潜むカビは、過ごしやすい秋になると増殖スピードがアップします。きちんと夏じまいをし、快適な冬を迎えるための3大カビ退治ポイントは、エアコン、寝具、クローゼット。お掃除のプロと専門家がコツを徹底解説します!
教えてくれた人
千葉大学真菌医学研究センター・准教授 矢口貴志さん
住生活ジャーナリスト 藤原千秋さん
“エアコン”からカビのエサになるホコリを取る
猛暑でフル稼働していたエアコンは、内部に結露した水分がたまり、カビ発生の条件が整った状態になっている。おまけにフィルターにはホコリが堆積して、カビを繁殖させる栄養源になるため、そのまま放置するとカビがどんどん増えてしまう。暖房に切り替えて使用を開始する前に念入りに掃除を。
【01】フィルターをつけたまま掃除機をかける
コンセントを抜いてから、周囲の汚れを化繊ハタキやホコリ取りシートで取り除いたら、カバーを開けて、隙間ノズルやブラシノズルを使ってフィルターに掃除機をかける。普段から週に1度掃除機をかければ、エアコン効率が格段に上がる。
【02】シャワーは裏から。油汚れは中性洗剤を使って
フィルターを外したら、表面(外側)から掃除機をゆっくりかけてホコリを取り、裏面(内側)からシャワーをかけて水圧でホコリを落とす。油汚れなどが残っていたら、使い古した歯ブラシ等に中性洗剤をつけて汚れをかき出し、再び裏からシャワーを。表からのシャワーは目詰まりするので×。陰干しし、しっかり乾かしてから取りつけよう。
【03】本体のホコリも取る。送風口やルーバーはアルコール除菌
カバーは取り外せる場合が多いので、表と裏からアルコール除菌剤を含んだシートや布で拭く。送風口やルーバー(風向き調整板)の手が届かない場所は、隙間ブラシや掃除棒を使うと便利だが、力まかせに拭いて汚れを奥に押し込んでしまわないよう注意すること。
割りばしにキッチンペーパーを巻きつけ、アルコール除菌剤を含ませて拭くといい。
【04】掃除後は換気しながら30℃暖房を1時間!
エアコンの大敵は水分。カビの発生を予防するには、内部までしっかり乾燥させることが大切。窓を開けて換気をしたうえで、暖房の最高温度に設定(30℃の場合が多い)し、1~2時間ほど稼働を。
◆エアコン直下に布や革製品は置かない
エアコンの下や風が直撃するところにはホコリがたまりやすい。布や革製品に風が当たると、停滞したホコリが湿気を抱え込んでカビが大量発生している危険性が。雑誌や書籍などの紙類もカビることがある。
◆エアコン内部の掃除はプロにまかせる
フィルターの内側にある熱交換器をむやみに触ると故障の原因になるため、各メーカーは掃除を推奨していない場合も。とはいえ、目に見えない部分にもカビが潜んでいるため、1~2年に1度は専門業者に内部の清掃を依頼して。「吹き出し口に黒い点が見えたら、カビが繁殖しているサイン。暖房機能を使い始める前に依頼を」(藤原さん)。