耳の万能のツボ「神門・しんもん」で不調をリセット!自律神経の乱れや不安、肩こりや疲労にも
人間の体には361個のツボがあり、そのうち200以上のツボが耳にあるという。その中にある「神門(しんもん)」というツボは自律神経を整えるツボとして有名なんだとか。最近なんだかだるい、疲れやすい。という方は、もしかしたら自律神経が乱れているせいかもしれない。耳をもんで自律神経を整えよう。
その疲れ自律神経の乱れかも…
最近はなんだか疲れやすいし、なぜか日中、うとうとしてしまう…そんな不調はもしかしたら、自律神経の乱れが原因かもしれない。
きたにし耳鼻咽喉科院長で日本アーユルヴェーダ学会理事長の北西剛さんが言う。
「自律神経とは簡単に言えば、環境の変化に適応するための体の仕組みです。朝起きると同時に内臓を動かしたり、夜は眠くなるようにホルモンを出したり、気温の変化に対応できるように体温を調節したりと、24時間休みなく体をコントロールするのが、自律神経の働きです。四季のある日本では、春と秋に気候・気温・気圧が大きく変わるため、その激しい変化に対応しようとして、自律神経のバランスが乱れやすくなります」
自律神経の乱れはリズム障害のほか冷え、イライラ、肥満などを引き起こす
自律神経には、車でいえばアクセルに該当する「交感神経」と、ブレーキに該当する「副交感神経」がある。
日本初の天気痛・気象病外来を設立した愛知医科大学客員教授の佐藤純さんが語る。
「交感神経が優位になると、体は“戦闘モード”になって、冷や汗が出たりドキドキしたりします。一方、副交感神経が優位になると“リラックスモード”になり、体温が下がったり眠くなったりします。通常は朝目覚めると交感神経が優位になって日中は活動的になり、夕方になると副交感神経が優位になって、体は眠る準備を始めます。自律神経のバランスが崩れると、このサイクルがうまく働かずに“夜なのに興奮して眠れない” “朝になっても眠くて疲れている”などのリズム障害が起きるのです」
このほかにも、ホルモンバランスの乱れや腸内環境の悪化、冷え、イライラ、肥満など、さまざまな体の不調が引き起こされる。
「寒い日が続いたかと思えば突然夏日になることもあり、例年以上に体が環境の変化に追いつかずバテやすいと言えます。加えて、暖かくなって脳の血管が広がることで片頭痛が出やすくなる人も多いのです」(佐藤さん)
「気象病」も自律神経と深い関係がある
さらに、近年は気候の変化にうまく適応できない人が増えていると、北西さんが指摘する。
「現代人の多くが、子供の頃から冷暖房が完備された環境に慣れているせいで、体温調節機能が落ちている可能性が高い。いわば体が“甘やかされている”状態なのです。季節の変化を体で感じることが少ないと、自律神経が乱れやすくなると言えます」
近年注目されている、雨の日や低気圧の前に頭痛やめまい、倦怠感を感じる「気象病」もまた、自律神経と深い関係があるとされている。
耳の穴周辺をケアすると不調が改善
「内耳(ないじ)(耳の奥)には気圧の変化を感じ取るセンサーがあると考えられています。そのため、耳まわりがこって血流が悪くなるとセンサーが過剰に反応するようになり、自律神経に影響がおよんで気象病が出やすくなる。冬に寒さで肩をすくめて過ごしていたことで、首や肩から耳までの血行が悪くなっていることも、春に自律神経が乱れる要因の1つだと言えます」(佐藤さん)
耳の穴周辺には“ブレーキ”の副交感神経が、外側には“アクセル”の交感神経が密集している。つまり、耳をしっかりケアすれば、不調は解消できるのだ。
「神門」は自律神経を整える
WHO(世界保健機関)の定義では、全身のツボの数は361個。そのうち、なんと200以上のツボが耳にあるといわれている。
JEBジャパンイヤービューティ協会理事長で、これまで2万人近くの耳をケアしてきたイヤーエステティシャンの中本多紀さんが言う。
「耳は、お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんの形を投影していると考えられています。胎児は逆さまの状態なので、例えば目や口など、顔に関連するツボは耳たぶのあたり、腸や生殖器に関連するツボは耳の真ん中にあります。基本的には、押したときに痛いところや硬いところは、対応する部位の機能が落ちていると考えられます。耳を触ってみて、気になるところをもみほぐすといいでしょう」
耳のツボの効果は世界的に広く認められており、アメリカでは2001年から、退役軍人の慢性的な痛みや精神的な不調などの後遺症の軽減に有効だとして「BFA」と呼ばれる耳の鍼治療を導入している。特に優れた作用があるのは、耳の上側、軟膏のくぼみのあたりの「神門(しんもん)」というツボだ。
神門(しんもん)・・・「不安と痛みを取り去り、精神を活発化させる」万能のツボ
「神門は自律神経を整えるツボとして有名です。全身の血流がよくなることで、ストレスや痛み、緊張、不安、抑うつ、不眠などの症状を緩和します。BFAでも“みと不安を取り去り、精神を活性化させるツボ”として使われています」(北西さん・以下同)
教えてくれた人
北西剛さん/きたにし耳鼻咽喉科院長・日本アーユルヴェーダ学会理事長、佐藤純さん/愛知医科大学客員教授、中本多紀さん/JEBジャパンイヤービューティ協会理事長
※女性セブン2023年5月25日号
https://josei7.com/
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