藤井聡太さんを支える「流動性知能」とは?脳を若返らせる鍛え方7つのルール「ワーキングメモリー」が鍵
年を重ねるほど、知能も年を取る。そのため記憶力が低下したり、怒りっぽくなり、気がつけば“老害脳”になっているかもしれない。しかし、進化を続ける若き天才・藤井聡太棋士を支える「流動性知能」を鍛えれば、問題は解決する。さぁ、いますぐ脳から若返りましょう。
将棋の藤井聡太さんが語った「流動性知能」とは?
今年3月、羽生善治九段(52才)に続いて史上2人目の六冠を達成したばかりの将棋の藤井聡太(20才)が、4月5日から渡辺明名人(38才)を相手に「名人戦」に臨んでいる。このタイトル戦を制すると、羽生以来となる「七冠」達成と、その最年少記録となる。
40年ぶりの最年少記録更新を期待される藤井だが本人いわく、その実力の全盛期はまだこれからだという。14才のときのインタビューで「自分のピークはいつ頃だと思うか」と聞かれ、「18才から25才が『流動性知能』のピークのようなので大事な時期になります」と答えているのだ。
藤井が言及した「流動性知能」とは、新しい環境に適応するために適切な情報を獲得し、それを処理し、操作する知能であり処理のスピードや直感力、法則を発見する能力を指す。
簡単にいえば、複雑なパズルを解いたり、経験したことのない問題を解くときなどに使われる。
精神科医の和田秀樹さんが解説する。
「経験に頼らず、その場で反射やひらめきを使って答えを導き出す力です。この能力が高いと、それまでほかの人が思いつかなかったような斬新なアイディアや問題解決の方法を発想できます」
藤井の言葉どおり流動性知能はだいたい25才をピークに低下していく。つまり、年齢を重ねるほど新しいことに対する処理能力や直感力などが衰えていくことになる。
「また、流動性知能は脳の中でも感情のコントロールを司る前頭葉との相関関係がある。つまり流動性知能の働きが低下すれば前頭葉機能も衰えると考えられるので、感情の抑制、切り替えがうまくいかなくなり、若者から『老害』といわれる行動を取ってしまう可能性があります」(和田さん・以下同)