50代以上の女性に急増する「めまい」の予防と症状の緩和にすぐできる2つの方法「セットで行うのが◎」【医師監修】
更年期前後の50代以上の女性に急増しているというめまい。横浜市立みなと赤十字病院・めまい・平衡神経科部長の新井基洋さんは、「めまいの患者数は、女性の方が男性の約2.5倍。特に50代以上の女性の場合、耳石(じせき)が三半規管に入り込むことで生じる『良性発作性頭位めまい症』が多いんです」と話します。そこで、新井さんに、めまいを予防する方法を教えてもらいました。
めまいを予防するために平衡感覚を鍛えよう!
「めまい症状の緩和と予防におすすめなのが平衡感覚を鍛えること。左の2つを1セットにして朝と夜に2回ずつ行うと、改善が期待できます」(新井さん・以下同)
<1> 目を左右に動かす
【1】利き手を前に伸ばし、親指を立てる。
【2】目線を親指の爪にすえ、10を数えながら、首だけを左右に30度ずつ回す。見えづらい側は内耳機能(耳石器機能含む)が低下している可能性が高い。
<2> 頭を上下に動かす
【1】利き手を前に伸ばし、親指を横に倒す。
【2】目線は親指の爪のまま、10を数えながら、頭を30度ずつ上下に倒す。このとき、手は動かさないように注意する。頭を動かした際、グラッとする人は、耳石がはがれている可能性も疑われる。
寝るときは頭の位置を高くし、向きを変える
就寝時、枕を高くするなど、頭の位置を少し高くすることで、耳石が三半規管に入りにくくなるという。
「いつも同じ方向を下にして寝ると、下側の耳の三半規管に耳石がたまりやすくなります。常に同じ姿勢にならないよう気をつけることも大切です」。
カルシウム不足を補う食生活を意識しよう
耳石がはがれ落ちる原因の1つがカルシウム不足。
「特に更年期の女性は、女性ホルモンの減少で骨密度も低下し、結果全身のカルシウムが不足しがちです。乳製品、小魚、卵、鮭、ブロッコリー、納豆などは耳にもよいので積極的に摂りましょう」。
教えてくれた人
新井基洋さん/横浜市立みなと赤十字病院・めまい・平衡神経科部長
めまい専門医としてめまい体操を考案。『全国から患者が集まる耳鼻科医のめまい・ふらつきの治し方』(毎日が発見/KADOKAWA)など著書多数。
取材・文/佐々木めぐみ、鳥居優美 イラスト/尾代ゆうこ
※女性セブン2022年1月20・27日号
https://josei7.com/
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