体を動かすのが億劫な人へ「家事をテキパキこなしてカロリー消費のすすめ」【医師監修】
運動は慣れないウオーキングや辛い筋トレだけではない! 家事や仕事中のすき間時間を使って体を動かすだけでも結構な運動量になると、アメリカの医学雑誌にも掲載されている。と言っても、寒くて動くのが億劫と考えている方に、減量指導を行っている医師の浅原哲子さんが、見た目も変わり、ダイエットのモチベーションも上がる一石二鳥の方法をアドバイス!
やせない理由「体を動かすのが億劫」から抜け出す方法
「国立病院機構京都医療センター肥満・メタボリックシンドローム外来(以下京都医療センター 肥満・メタボ外来)」で「やせるメソッド」を構築した医師の浅原哲子さんに、なかなかやせない理由と対策ついて聞いた。
やせない理由:体を動かすのが億劫…
寒くてウオーキングも挫折、掃除も面倒になり、部屋も散らかりがち。
やせるための対策:家事をテキパキと!
家のなかではこまめに動き、家事をテキパキとこなす。
「患者さんには“1日8000歩歩行”をすすめていますが、“毎日1時間以上歩く時間が作れない”という人も、実は2000~4000歩くらいは、日常の家事などで意識せず歩いているんです。
アメリカの医学雑誌にも掲載された『NEAT(ニート/非運動性熱産生)(※1)』とは、スポーツ以外の日常生活の動きで発生するエネルギーのこと。いわゆる“すき間運動”ですが、ちりも積もれば結構な運動量になるのです(下記、「食べ物を消費するのに必要なウオーキング&生活活動時間」参照)。
冬は寒くて動くのが面倒ですが、少し頑張って、こまめに掃除や部屋の片付けを行いましょう。運動量が増えるだけでなく、部屋がきれいになることで気持ちにもメリハリが生まれ、『今日もダイエットを頑張ろう』というモチベーションにもつながります。
また、歩数計や活動量計を常備し、自分の運動量を具体的に把握するのもよい方法です」
通勤している人は、職場でもこまめに動き、ひと駅前で降りて多めに歩くだけでも8000歩に近づくそうだ。
(※1)NEATとは、Non-Exercise Activity Thermogenesisの略で、メタボ対策として注目される。
食べ物を消費するのに必要なウォーキング&生活活動時間
※体重約54kgの人で算出
●80kcal (ポテトチップス10枚、大きめのクッキー1枚)
【ウォーキング】30分
【生活活動】立ち話、電話(立位)、皿洗い/各50分 ストレッチ体操/40分 電動アシスト自転車に乗る、家財道具の片付け/各30分 掃除機がけ、フロア・カーペット掃き、モップがけ、床磨き、風呂掃除、草むしり/各25分
●100kcal(オレンジジュース 約200ml)
【ウォーキング】40分
【生活活動】階段をゆっくり上る、ラジオ体操/各30分 階段をゆっくり下りる/35分
●160kcal (大福1個、ご飯1杯(160g))
【ウォーキング】1時間
【生活活動】子供と活発に遊ぶ、家具の移動・運搬、スコップで雪かき/各30分 ガーデニング、ピアノ演奏 /各1時間
●200kcal (プリン1個)
【ウォーキング】1時間20分
【生活活動】農作業(干し草をまとめる、納屋の掃除)/30分
●240kcal(フライドポテト(S)、どらやき、アイスクリーム)
【ウォーキング】1時間30分
【生活活動】階段を速く上る/30分
●300kcal(シュークリーム1個)
【ウォーキング】1時間50分
【生活活動】シャベルで土や泥すくい、バドミントン/各1時間
●400kcal(ショートケーキ)
【ウォーキング】2時間
【生活活動】エアロビクス、テニス(シングルス)、ジョギング/各1時間
生活活動の出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」
※消費カロリーは、運動の強度を表すメッツ×体重×時間から算出。
※食べ物のカロリーは、大きさや内容により変わります。
教えてくれた人
浅原哲子さん/医師
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部 部長、名古屋大学環境医学研究所 メタボ栄養科学研究部門 特任教授。国立病院初の肥満・メタボ外来(予約制)の開設以来、20年にわたり、3000人以上の減量指導を行う。近著に『「いただきます」を言わない人が太るワケ』(三笠書房〈知的生きかた文庫〉)。「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)でのダイエット解説も話題となる。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年2月3日号
https://josei7.com/
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