朝丘雪路さん最期の病床 往年スターとの思い出話を繰り返す
宝塚音楽学校に入学したときには「お箸とお茶碗しか持ったことがない」とあっけらかんと明かし、アイロンがけをすればナイロンの靴下をドロドロに溶かし、旭日小綬章を受章した際の会見では、75才にして「料理上手になりたい。今まで3回しか作ったことがないので」と世間の度肝を抜いた──。
愛すべき天然ぶりを誇った朝丘雪路さん(享年82)が、4月27日、天国へと旅立った。
「感謝しています。娘を産んでくれたことも感謝。家を手放してくれたことも感謝。自分より先に死んでくれたことも感謝。すべてに感謝です」
死去から約3週間経った5月20日、夫・津川雅彦(78才)は会見でそう語った。
「死去から発表まで時間がかかったのは、通夜や告別式、納骨を静かな環境で滞りなく済ませたいという周囲の希望があったからだそうです」(スポーツ紙記者)
最後の舞台前から老人性うつ病に悩まされた
朝丘さんの死因は「アルツハイマー型認知症」。
2014年4月、朝丘さんは津川と長女・真由子(44才)との家族共演が話題になった舞台『花や…蝶や…』を最後に芸能活動を休止し、以来療養生活を続けていた。舞台前年の秋頃から、朝丘さんは「老人性うつ病」に悩まされていたという。当時を知る人物が明かす。
「セリフが覚えられないと悩んでいたんです。いや、正しくは、“覚えるのが億劫”という感じでしょうか。あの明るい朝丘さんがいつになく元気がなくて、“これが最後の舞台になるのね”って弱気なことも言っていました」
本格的な療養に入っても、朝丘さんの病状はあまりよくない状態が続いていた。
「以前は家にいる時でも、いつも化粧をしていて、いつ来客があっても万全の状態だったのが、朝からボーッとすることが多く、起きたままの格好でいることがほとんど。何かにつけて“面倒くさい”が口癖になり、“風邪をひくと長引くから”と過剰に用心深くなり、外出することもなくなってしまったんです」(芸能関係者)