コロナ禍での地震避難に際しての注意ポイント・避難所での感染対策は?
2月13日午後11時7分、福島沖を震源として発生した地震。宮城県、福島県では、震度6強が観測され、さまざまな被害が生じている。気象庁は、東日本大震災の余震と見られると発表し、今後も土砂崩れ、火災、建物の崩壊に注意が必要と呼びかけている。
宮城、福島両県には、避難所が設けられ、すでに避難している人も多くいる。
避難前に注意すべきポイント
日本気象協会は、今回の地震を受け、避難前に注意すべきポイントとしてHP(tenki.jp)にて以下のように発表してる。
・ 避難中の予期せぬ火災を防ぐため、家を離れる前にブレーカーは落とし、ガスの元栓を閉めましょう。また、戸締りをしておきましょう。
・ できるだけ複数人で避難してください。近所の人とも声をかけ合って安否を確認しましょう。
・ 避難所まではできるだけ徒歩で避難しましょう。自動車で避難すると渋滞が発生し、場合によっては緊急車両の往来を妨げることになります。
・ 避難経路途中の家屋やブロック塀、崖や斜面が余震などの影響で崩れる可能があります。常に身の安全を確保しながら行動するようにしてください。
・ 大きな地震の後には、ほぼ必ず余震が発生し、さらに揺れの大きさに関わらず多発する可能性があります。余震が起こることを念頭において行動するようにしてください。
新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル
避難所は、密閉・密接・密集の“3密”になりやすく、新型コロナウイルス(以下コロナ)に限らず、あらゆる感染症が広まりやすい場所だ。
西村康稔経済再生担当相は14日のNHKの番組で、避難所にマスクや消毒液の配布も行っているとも説明。その上で「手洗い、消毒、マスク、3密にならないことに注意を払っていただきたい」と呼び掛けた。
これまでも感染症対策は取られてきたが、コロナの感染拡大に伴い、’20年6月に日本医師会が、「新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル」(※)を公表した内容をおさらいしたい。
※https://www.med.or.jp/dl-med/kansen/novel_corona/saigai_shelter_manual.pdf
それには、発熱者や濃厚接触者用の専用スペースの設置のほか、次のような内容が盛り込まれた。
・避難者同士(家族間)の距離は1m以上は空ける。
・世帯ごとにパーティションやテントなどで区切る。
・避難所2方向の窓やドアを開けて空気の流れを作り、30分に1回以上、数分間窓を全開にするよう努める。
「このほかにも、手洗い・手指消毒の徹底や、常にマスクを着用し、自分のスペース以外での会話は控えることも推奨されています」
と、備え・防災アドバイザーの高荷智也さんは語る。
では、避難所ではどこに場所を取った方が、感染症予防対策の上でベストなのだろうか。
換気優先のため防寒対策は万全に
避難所内の場所取りは、基本的に先着順となる。家族構成や防寒アイテムの有無によって快適に過ごせる場所は変わるが、通常は、もたれられて、プライバシーも比較的守られやすい壁側の人気が高いという。
しかしコロナ禍のいま、場所選びの際、優先したいのが“空気の流れがよい場所”だ。
「出入口付近は人通りが多く、そこで会話・せき・くしゃみがなされれば飛沫を浴びる恐れがあります。なので、人通りの多い出入口は避けた方が無難でしょう」(高荷さん・以下同)
ただし、トイレに行く際、動きが取りづらいなどのデメリットもあるので、頻繁にトイレを使う場合は、出入口付近も考慮に入れよう。
「出入口付近に場所を取る場合は、隣と2m以上離してパーティションを設置すると安心です。いずれの場所でも、横になる際は、通路と逆側に頭を向けましょう」
いまは換気を優先しているため、冬でも窓が開け放たれる可能性が高い。そのため、防寒アイテムは必須だ。防寒着はもちろん、使い捨てカイロ、エアマット、毛布などを用意する安心だ。
→冬の避難所生活用に備えておきたいグッズを紹介|就寝環境を劇的に良くするものとは?
教えてくれた人
高荷智也さん/備え・防災アドバイザー
構成/介護ポストセブン 取材・文/鳥居優美
※女性セブン2021年2月4日号
https://josei7.com/