コロナ禍で女性や高齢者を狙った強盗が急増|こんな家は危険!チェックリスト付き
警察庁の調べによると、留守中に侵入してくる空き巣や就寝中に侵入する忍び込みなどの「住宅侵入窃盗」の認知件数は年々減少傾向(警察庁「令和元年の刑法犯に関する統計資料」より)だが、その一方で、コロナ禍の影響で別の被害が増加しているという。それは一体どんな事なのか――。
宅配業者やガス点検などを装って家に押し入る
家にいれば安全だった時代から、家にいるからこそ危険な時代に…。
「昨年から、リモートワークや外出自粛などで在宅している女性や高齢者を狙い、宅配業者や点検などを装って家に押し入る強盗が増えています。これは、今後も増える可能性があります。強盗の内容も凶悪化していて、物やお金だけでなく命まで取られるケースが増えてきています」(防犯アナリスト・桜井礼子さん)
どこか他人事だと思っていた事件も、もう決して他人事ではないのだ。
「2020年から増えているのが、コロナ禍で在宅しているのをいいことに、宅配業者やガス点検などを装って家に押し入る押し込み強盗です」(前出・桜井さん・以下同)
強盗や空き巣への対策
狙われやすいのはリスト(下記参照)にあるような家だ。犯人は日頃から、洗濯物の種類や表札などを見て家族構成を推測。抵抗力が弱い高齢者や女性だけの家に目星をつけているという。
力の強い男性と暮らしているような演出を
「防犯対策としては、玄関の目につく場所に工事現場で働く男性が履くような作業用安全靴を置いたり、ベランダに工事用作業服を干すのがおすすめです」
ひとり暮らしの女性は男性用下着を外に干すといいというのはよく聞くが、いまの時代、それだけでは不充分で、力の強いイメージを与える工事現場で働く男性がいるように思わせるのがいいのだという。
新しい表札に変える
「玄関の靴は来訪者しか見ないと思うでしょうが、その来訪者にこそ、見せるべきなのです。というのも、元宅配業者が好みの女性の家に侵入する事件があったからです。また、表札が古い家は、長年同じ居住者、すなわち高齢者が住んでいると推測されやすい。古びた表札を変えるのもおすすめです」
こんな家が狙われやすい!【チェックリスト】
□ 玄関、窓、勝手口などの侵入口に鍵をかけていない
□ 窓は、割れた際にガラスが飛び散らない「網入りガラス」である。
□ 夕方以降、家に明かりがついていない
□ 洗濯物を外に干したまま夜まで出しっぱなし
□外から玄関が見えにくい建物、あるいは、背の高い植木などで敷地内の見通しが悪い建物
□ 庭や玄関まわりが荒れている
□ 玄関に出している靴、外に出している傘立ての中の傘は女性ものだけ
□ マンションの最上階、あるいは1階、2階に住んでいる
□ 表札が古い、または家族全員の名前を書いている
□ 門扉ではなく、玄関扉の横にインターホンがついている
家周りのリフォームも防犯対策に!
外部から侵入されにくいよう家まわりをリフォームするのも対策になる。
「玄関の横にインターホンがあるため、門扉を開けている家も侵入犯にとっては好物件。インターホンは玄関横ではなく、門扉の外側に設置し、門扉にも電子錠などを取りつけましょう。門扉を設置できない場合は、表札やインターホンなどを一体化させた『機能門柱』(上イラスト参照)を、家と公道の境界に設置するのもおすすめです。家まわりが管理されていると、防犯対策が行き届いた印象を与え、侵入の抑止になります」(防犯アナリスト・桜井礼子さん)
留守中も油断大敵、万全な対策を
留守中の対策も万全にしたい。洗濯物を夜まで干しっぱなしにしたり、暗くなっても家に明かりがともっていない家は、「留守だ」と犯人に教えるようなもの。
洗濯物はなるべく室内に干し、外から見える部屋は電気をつけたまま外出する、あるいは夕方自動的に電気がともるタイマー設定にするのがおすすめだ。
「警察庁の調べによると、空き巣被害者の約半数は無施錠で、特にマンションの高層階ほど無施錠になりがち。しかし、1階と2階、そして最上階の部屋ほど盗難被害が多いんです」(桜井さん)
コロナ禍のいま、換気で窓を開ける機会が多くなるが、その場合も窓枠や網戸に補助錠を設置すると安心だ。
教えてくれた人
防犯アナリスト・桜井礼子さん
取材・文/桜田容子 イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2021年2月4日号
https://josei7.com/