【病院清掃のプロに習う健康掃除術】トイレ、風呂、キッチン ムダを省いて感染リスクを下げる極意
●使った歯ブラシやコップは水を拭き、素早く乾かす
洗面台は呼吸器症などの原因となる緑膿菌が発生しやすい場所。使用後の歯ブラシやコップを濡れたまま放置すると、増殖する危険がある。「使用後は、ペーパータオルで水分を拭き取って、なるべく早く乾燥させましょう。洗面台の水滴も拭き取っておいて」。
●メラミンスポンジで洗面ボウルをまめに掃除
洗面所は石鹸や化粧品、整髪料など油分が多いものを使う場所だけに、洗面ボウルの内側はきれいに見えても、油膜で汚れているケースが多い。「メラミンスポンジなどを常備しておき、1日1回、使ったついでにこすり洗いをすれば、油汚れや水垢もたまりません」。メラミンスポンジなら水だけで掃除ができ、油分もしっかり取れるのでおすすめだ。
●ソープの詰め替えは容器を洗い乾燥させてから
ハンドソープの詰め替え時、使用済みのボトルにそのまま継ぎ足しをするのはNGだ。「ボトルには、ソープに含まれる水分などが少しずつたまるので、内部で緑膿菌が発生するリスクもあります。ボトルの中をきれいに洗い、よく乾燥させてから詰め替えましょう」。清潔な容器に詰め替えないと、緑膿菌が繁殖したソープを使うことになる。
キッチンまわりの場合
●使用済みの食器をシンクにためない
使用済みの食器をシンクにためておくと、数時間後には細菌1個がなんと、1万~2万個にも増殖する。「放置する時間が長いほど、細菌は増えるため、その後の洗浄が不充分だと食中毒のリスクも高まります。食器はこまめに洗いましょう」。
●スポンジは一日の終わりに熱湯消毒
緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖しやすいのが食器用スポンジ。「一日の終わりに、熱湯をスポンジ全体にかけ、固く絞って、風通しのよい場所に干しておきましょう。衛生面で考えると乾かしやすい網たわしや抗菌性が高いスポンジなどもおすすめです」。
●調理中にふきんに触ったら必ず手を洗う
水や栄養、温度など、細菌が増える条件がそろっているキッチン。特に注意したいのは、台所ふきんや食器用ふきんの取り扱いだ。「ふきんに付いた細菌は、恐ろしいスピードで増えるので、使用済みのふきんを触った手で調理を続けていると、食中毒の原因にもなりかねません。調理中にふきんに触ったら、その都度、石鹸で手を洗いましょう」。
松本忠夫(まつもと・ただお)さん
ダスキンヘルスケアや亀田総合病院グループなどで清掃管理者などを経験し、独立。亀田総合病院をはじめ、多くの医療施設を担当する清掃スタッフの指導などを行う。松本さんの経験をまとめた著書『健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社)が話題に。テレビ出演多数。
※女性セブン2018年5月3日号
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