被災に備えて旅行先へ持っていきたいグッズをおさらい
新型コロナウイルス感染拡大の第3波が気になるこの頃だが、すでに「Go To トラベルキャンペーン」などを利用して、旅行を計画している人も多いと思いかもしれない。そんな中、11月22日には、茨城県沖で震度5弱の地震が発生した。感染も心配な中、地震はいつ発生するかわからない。もし、旅行などで遠方に出かけた先で被災した場合、どうすればいいのか?命を守るために準備すべきグッズを専門家に教えてもらった。
観光客は避難所を利用できない!?
「原則として、観光客は避難所を利用できません」
と話すのは、備え・防災アドバイザーの高荷智也さんだ。というのも避難所は、地域住民のためのものだからだ。
旅先で被災した際は、宿泊施設に待機を
東日本大震災が発生した際、宮城県・松島町には約1200人の観光客がいたが、彼らは町内の寺などで避難生活を送った。このように、観光客は指定の公共施設や宿泊施設で待機することになる。
「宿泊施設や観光施設は、災害時の備えがされており、防災計画を策定して避難誘導訓練なども実施しています。交通手段が絶たれた場合は、無理に帰ろうとせず、帰宅の手段が確保できるまで、宿泊先などにとどまる方が安全です」(高荷さん・以下同)
スマホは役に立たなくなるかも…旅先に持っていった方がいいものって?
 では旅先での被災に備え、持っていった方がいいものは何か?
電話やメールができ、地図も見られて、ラジオも聴けるスマートフォン(以下スマホ)が、圧倒的に役に立ちそうだが…。
「スマホが便利なのは確かですが、それだけに頼るのは危険。大地震で停電が発生すると充電ができなくなります。モバイルバッテリーで1~2回充電できたとしても、停電が数日以上続けば基地局の携帯電波がダウンして、スマホは使えなくなります」
前出の松島町では、観光客が家路につけたのは、地震発生から4日後。それまでバッテリーはもたない。
「情報の入手先を増やすため、携帯ラジオを持っていくのがおすすめです」
そのほかにも、眼鏡やコンタクトレンズ、補聴器、入れ歯、持病の薬、お薬手帳など、それがないと生きていけなかったり、自分の体の一部になるようなアイテムは、宿泊数+2~3日分用意しておこう。
「観光地は風光明媚な場所が多いですが、それはつまり自然災害の影響を受けやすいところと言えます。宿泊施設の近くや立ち寄る観光スポットなどのハザードマップは事前にチェックし、できればプリントアウトなどして持っていくと便利です」
ハザードマップには、近くの一時避難所なども載っているので、普通の地図よりもいざというときに役立つはずだ。
被災に備えて旅先に持っていきたいグッズまとめ
●スマホや充電器は数日で使えなくなる可能性が高い
●情報収集には、携帯ラジオがおすすめ
●眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器、入れ歯など自分の体の一部になるアイテム
●持病の薬、お薬手帳など生命の維持に必要なもの
●宿泊場所近辺のハザードマップのプリントアウト
教えてくれた人
和田隆昌さん/災害危機管理アドバイザー
取材・文/鳥居優美 イラスト/大窪史乃
※女性セブン2020年11月19日号
https://josei7.com/
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