「納豆」最強の食べ方4つの極意!熱々ご飯にのせるのはNG
納豆通の主婦Aさん(45才)の朝は、賞味期限ギリギリの大粒納豆のパックを冷蔵庫から取り出すことから始まる。Aさんは納豆のパックを一旦机の上に置き、みそ汁の準備を開始。20分後にみそ汁が完成すると、ようやく納豆のパックを開け、器に移す。添付のからしは脇に置き、すりおろしたばかりのわさびとタレを数滴入れる。
続いてAさんは生卵を割って白身と黄身を分け、黄身だけを納豆に入れた。その後、箸でかき混ぜること50回。おひつから茶碗によそってある少し冷めたご飯の上にそれをかけると、やっと食べ始めた。
箸を動かしながらふと、夕飯用のひきわり納豆のストックがないことに気がつく。食べ終わって、後片付けをしたら駅前のスーパーへ行こう。
何の変哲もない朝の1コマだが、実はここには納豆をおいしく健康に食べるための極意がぎゅっと詰まっている。その秘密を、専門家が“ねばり強く”解説していく。
→「納豆」本当の効能と最強の食べ方検証!かき混ぜるのは50回
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朝は粒、夜はひきわりが◎
Aさんは朝から納豆を食べていたが、巷では「納豆は朝よりも夜に食べたほうが健康効果がある」が通説とされている。東京慈恵会医科大学附属病院管理栄養士の赤石定典氏が解説する。
「睡眠時は水分補給ができず、水分が不足し、血液がドロドロになるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。納豆に含まれるナットウキナーゼは血栓を溶かす働きがあるため、夜に食べることでこれらの病気の予防に期待ができるのは間違いありません」
では、納豆を朝に食べると、健康効果が薄くなってしまうのだろうか。答えは「否」である。全国納豆協同組合連合会専務理事・松永進氏が語る。
「朝は粒納豆、夜はひきわり納豆と“食べ分け”することをおすすめします。粒納豆は大豆の皮がそのまま残っているため、食物繊維がたっぷり。腸内環境を整え、お通じをよくしたい朝にぴったりです。一方、ひきわり納豆は皮を取り除いて製造するため粒納豆に比べると食物繊維が少ない。その分、粒が細かいひきわり納豆は粒納豆よりも表面積が大きくなり、納豆菌を繁殖させる土壌が広いため、ナットウキナーゼなどの酵素類が多く含まれます。血流が悪くなりやすい夜は、ひきわり納豆を食べることで、健康効果が飛躍的にアップすることが期待できます」