納豆にも「旬」がある!夕食に食べ血栓予防に効果期待
一年中安定価格で売り場に並んでいるためか、“旬”とは無縁のように思えるが、「納豆」にもちゃんとおいしくなる時季がある。
脳梗塞などの原因になる血栓溶かす作用に期待の「ナットーキナーゼ」
それは原料である大豆の収穫時期と深く関係している。11~12月初旬に収穫、その後貯蔵された新豆が、年を越すと余分な水分が飛んでうまみが凝縮されるのだ。そのため、1~3月頃に加工された納豆は、ふっくらとした新豆の甘みが生きていておいしい。
納豆に含まれるナットウキナーゼには、心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる血栓を溶かす作用があるといわれる。その効果は食べてから約2時間後に出始めて、8~10時間ほど続く。心筋梗塞や脳梗塞は明け方に発症しやすいため、夕食に食べるとさらに効果的…かも。
家庭料理研究家の松田美智子さんは納豆について、こう話す。
「最近では納豆菌を抑え、糸をあまり引かず、においも少ない納豆が出ていますが、納豆の栄養と醍醐味はこのネバネバに凝縮されています。しっかり混ぜて切って、グルタミン酸を増幅して、いただきましょう!」
納豆は包丁で叩いてグルタミン酸を最大限に引き出す
「納豆切る音 しばし待て 鉢叩」。納豆を刻むのを待ってほしい。鉢叩(空也念仏)をしばし聞こうではないか――と松尾芭蕉が元禄3年(江戸時代)に詠んだ句には、当時の朝食の定番で、納豆を包丁で細かく砕き納豆汁の素材とした「納豆切り」が登場する。早朝の長屋に響く包丁の音は、冬の風物詩でもあった。
包丁で叩くことで納豆のグルタミン酸を最大限に引き出し、他の食材とも合わせやすくなる。混ぜるよりも労力が少ないのも◎。
納豆を使ったレシピを2つ、松田美智子さんに教えてもらった。
『豚天』の作り方
Wたんぱく質でパワーチャージ!紅しょうがのアクセント後を引くうまみたっぷりのおかず。
【1】豚肩ロース肉200gは2cm大に切る。紅しょうが1/3カップは水けを絞っておく。
【2】ボウルに【1】、納豆1/2カップ、にんにくのみじん切り・塩各小さじ1/2、卵白1個分、薄口しょうゆ大さじ1、白こしょう少量を入れて混ぜ合わせる。薄力粉大さじ1を茶こしでふるいながら加えて混ぜる。
【3】揚げ油適量を中温に熱し、大さじで山盛りすくった【2】を静かに落とし、途中上下を返して揚げる。天紙を器に敷いて盛りつける。
『納豆そば』の作り方
栄養満点で低カロリー、よく混ぜて召し上がれ!
【1】大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、日本そば(乾麺)1束を硬めにゆでる。冷水で洗い、ざるにあげて水を切る。
【2】そばを深めの器に盛り、種を除いて角切りにしたきゅうり1本分、包丁でよく叩いた納豆1パック、種を除いて果肉を叩いた梅干し1個分、芯を除き、小口切りにしたねぎ1/4本分および青ねぎ3本分、卵黄1個を見栄えよく盛りつけてそばつゆをかける。
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2018年4月12日号
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