クリーニング店の上手な活用法|水洗いを依頼した方がいい場合とは?
衣類の素材に合った洗剤を使い、上手に洗えば、実はウールやカシミヤ、シルクなども含めて多くの衣類が自宅で洗える。とはいえ、レーヨンやキュプラといった素材のように、やはりクリーニング店に出さなければならない素材の衣類もある。
では、クリーニング店に出す際のコツとは? 洗濯の達人、“洗ブラ”こと「洗濯ブラザーズ」に教えてもらった。
洗濯ブラザーズは、神奈川県横浜市でクリーニング店『リブレ ヨコハマ』を経営。一般の洗濯物から劇団四季などの舞台衣裳まで、幅広いクリーニングを手がけている。また、日々の洗濯をハッピーにすべく「家庭でできる洗濯術」を指導、オリジナル洗剤の開発も行う。『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム)の著書がある。ちなみに“三男”の今井さんは茂木兄弟の友人。
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「洗濯は、新品の状態をなるべく長くキープすることを目標にするといいですね」
と、アドバイスしてくれた茂木さんに、クリーニング店に出す際の秘訣やポイントなどを聞きました。
→あなたの洗濯法は間違っているかも!?洗濯常識クイズでチェック!
ドライクリーニングでは水溶性の汚れは落ちない
舞台衣裳のみならず、ハイブランドからのクリーニング依頼も多い洗濯ブラザーズ。彼らは各地で「3ステップ洗濯術」を指導しており、延べ5000人に教えているが、毎回、洗濯の正しい仕方を知らない人の多さに愕然とするという。
「『ちゃんと洗っているのに部屋干しで臭くなる』『汚れが落ちない』という声が多いので、よくよく聞いてみると、全自動コースで洗い、ただ干すだけ。そりゃそうでしょ、と(笑い)」(茂木さん・以下同)
→きれいに仕上がる洗濯術|9割は自宅で洗える!タテ型、ドラム式、二層式別
一方で、クリーニングの出し方にも問題があるという。
「ドライクリーニングでどんな汚れも落ちると思っている人も多いんですよね。油は落ちても汗など水溶性の汚れは落ちていないことに気づいていないんです」
では、どのようにクリーニング店を利用すべきなのか。
縮んでしまったウール、色褪せた服はクリーニング店で蘇る
「家で洗える、洗えないの判断がつくようになれば、おのずと専門家に任せるものがわかってきます。たとえば、縮んでしまったウールを伸ばす、色褪せた服を蘇らせるなどは、ぼくたちの得意分野。クリーニング店に出すのが正解です」
皮脂汚れが気になる制服やスーツこそ、家で洗うべきと茂木さんは言うが、型崩れしないのか。
●型崩れが心配な場合は「汗抜きを」と頼む
「クリーニング店は、基本的に洗濯表示通りの処理をするので、制服などはドライになってしまいます。型崩れが心配な場合はクリーニング店で、『汗抜きを』と頼んで、水洗いしてもらいましょう」
保管の方法次第で衣類の“モチ”は変わる
最後に気をつけたいのが衣類の保管方法。
「3月は、ヒメマルカツオブシムシの幼虫が活動し始める時季。この虫はグルメで、カシミヤやシルクなど高級素材を好み、縦に食べていく習性があるので、衣類を重ねておくと全部ダメになることも。クローゼットやたんすには必ず防虫剤を入れてください」
クリーニング店から戻ってきたらビニールのカバーはすぐに外すこと。つけたままでは衣服に湿気がつき、カビの原因になる。“洗ブラ”流の洗濯法を実践し、年間10万円近くのクリーニング代を節約した人もいるそうなので、今年の衣替えの際には家で洗濯を!
イラスト/こさかいずみ
※女性セブン2020年2月27日号
https://josei7.com/
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