骨折を招く「骨粗しょう症」を予防するおかずと3つの習慣
自覚のないまま骨がスカスカになってしまう隠れ骨粗しょう症。女性に多いのが特徴で、知らぬ間にそれが“隠れ骨折”を引き起こすことも少なくない。骨がもろくなって体重を支えられなくなり、ちょっとした転倒で骨折して、一生寝たきりになってしまうこともあるのだ。
そんな隠れ骨折の危険を回避するために、今すぐ予防を! 原宿リハビリテーション病院名誉院長の林泰史さんに「予防レシピ」と「予防アクション」を教えてもらった。
まずはレシピからご紹介。生活習慣の改善も大切だが、予防には、食生活が重要だと林さんは言う。本来、カルシウムは摂取しても50%以上が体外に排泄されてしまい吸収率が悪い。ビタミンD、ビタミンK2を同時に摂取し骨への沈着を高める必要があるのだ。これら3つの栄養素を「骨のゴールデントライアングル」という。
「骨のゴールデントライアングル」は、骨の材料となる「カルシウム」(小魚や牛乳)、カルシウムの骨の沈着を助ける「ビタミンK2」(納豆やチーズ)、カルシウムの吸収をアップする「ビタミンD」(まぐろ、さんま、きくらげなど)のどれか1つが欠けてもだめ。
そこで、カルシウムの吸収を助け、骨に沈着させる栄養素「骨のゴールデントライアングル」を一皿で実現させたレシピをご紹介。
※材料はすべて1人前です。
ひじきのカルシウムは牛乳の10倍 『納豆きくらげひじき和え』
牛乳の10倍あるというひじきのカルシウム。この吸収をきくらげのビタミンDと納豆のビタミンK2が助ける。
【1】乾燥きくらげ1かけ分(約1g)を水で20分程度戻して刻んでおく。
【2】小鍋に水500mlとストレートタイプのめんつゆ大さじ1、【1】、刻んだ油揚げ1/3枚を入れて火にかける。
【3】【2】が煮立ったら、鍋にレトルトパックの水煮ひじき20g、納豆1パックを入れて混ぜ合わせ、弱火にして汁気を飛ばす。
油と同時摂取で骨を強化 『納豆かけ豆腐』
カルシウムが骨に沈着するのを助けるのは、納豆のビタミンK2、木綿豆腐のビタミンD。これらの脂溶性ビタミンはごま油を混ぜることで吸収率が向上。
【1】豆腐1/3丁を半分に切って皿に盛る。
【2】納豆1パック、しらす大さじ1、刻んだ炒りごま・ごま油を各小さじ1ずつ混ぜる。
【3】【2】と万能ねぎ適量を豆腐にかける。
骨の強化に効果絶大 『さば缶青菜炒め』
カルシウムとビタミンDを兼ね備えた食材・さば。ビタミンD豊富な小松菜の油炒めと一緒に摂取すれば、骨強化効果絶大。
【1】さばのみそ煮缶から1/2の量のさばを出し、中骨からタテに割り、アルミホイルにのせてトースターで皮側を上にして焼き色がつくまで焼く。
【2】小松菜150gは食べやすい大きさに切る。
【3】フライパンにごま油大さじ1と一味唐辛子適量を入れて、中火にかける。
【4】【3】に【2】を入れ、小松菜に油をからめる。
【5】【4】に【1】の缶の煮汁大さじ1を入れ、汁を飛ばしたら皿に盛り、上に焼いた【1】を置く。
骨を丈夫にすることが、隠れ骨折を防ぐ最短距離。続いては、手間なく続けられる予防アクションを紹介します。