「排せつ」のトラブル<2>便秘の種類とその予防~プロが教える在宅介護のヒント
■腸の蠕動運動を助ける運動「猫のポーズ」
自然に呼吸しながら、なるべくゆっくり1~3を繰り返しましょう。
1. 四つん這いになって、余計な力を抜く(視線は床を見る)
2. ゆっくりと尻を後方に突き出し、背骨を反らす(視線は徐々に上へ)。しばらく姿勢を保つ
3. 背骨を丸め、尻を引く(視線は徐々にへそへ)。しばらく姿勢を保ち、繰り返す
肛門を閉めたり、緩めたりを意識的に繰り返しましょう。
家族がケアする場合──おすすめの指圧&温罨法
■「の」の字指圧
へその下から、腹の上に「の」の字を描くように指圧するとちょうど消化・吸収から排便に至るルート上を刺激することができます。あまり力を入れず、優しく指圧しましょう。
■温罨法
・水を含ませ、絞ったタオルを適当な大きさに折り、ビニール袋に入れ、レンジで温める
・ビニール袋のままタオルで包んで腹を覆うか、腰の下に敷く(※冷めにくく、やけど予防になる)
ケアを受ける人が「心地いい」と感じる温度がよいですが、一般的には60度程度を約10分間です。
(急激に血行がよくなるため、高血圧や出血している人など施術を控える必要があります。初めて行う前には主治医か訪問看護師に確認しましょう)
自然な排便周期を取り戻すことは活動意欲や食欲の改善にもつながり、ご家族の介護負担軽減にもつながるので、排泄ケアについて正しい知識と方法を知り、活用してください。
イラスト/飛鳥幸子 取材・文/下平貴子
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