「母娘で老人ホーム入居?」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第76話
山口県で慢性膵炎を抱える母と暮らしている漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさん。漫画やイラストの仕事のほか「似顔絵描き」もライフワーク。地元の老人ホームのお祭りで似顔絵が評判を呼び――。時を経てお祭りに母と一緒に参加することに。お祭りの定番「焼きそば」のヘルシーな作り方のポイント解説も。
老人ホームのお祭りへ
先日、地元の老人ホームのお祭りに母を連れて行ってきました。
え?下見?いえいえ、お仕事です。「似顔絵」を描いてきました。
今から30年くらい前ですが、まんが家デビューをする前にフリマなどで似顔絵を描いていた時期がありました。そんなある日、お向かいに住んでいた若いご夫婦の奥さんから「うちの母親が勤めている老人ホームのお祭りで似顔絵を描いて欲しい」とお願いされました。それがご縁の始まりです(ご夫婦は数年後に引っ越していかれました)。
自立した高齢者が対象の軽費老人ホームで、施設長さんをはじめ職員の皆さんも入居者の皆さんも明るくて、こういう所ならお年寄りも暮らしやすいだろうなと思いました。
あの頃私が30才で、母は54才。施設長さんに「お母さんが60才になられたら入所できます。ご家族も1名同居できますので、のぶさんも一緒にどうぞ。」と言われ笑ったのを覚えています。
それから数年間はお祭りに参加していたのですが、徐々に時間が作れなくなり、いつの間にか年賀状のやりとりだけになっていました。ところが一昨年、「園長が変わります」のご案内が届き、文面を読んでビックリ。
当時色々お世話になっていた新人男性職員さんが施設長に就任されていたんです。
なんだか嬉しくてなつかしくて、お祝いのお花をもって久しぶりに訪問したところ、さらにビックリなことに、最初のきっかけになった「お向かいの若い奥さん」のお母様は既に引退されていて、当の奥さんがベテランスタッフとして働いておられました。
時を経て自分が入所できる年齢に
20年以上ぶりの再会、リアルガチなタイムスリップ体験でした(あちらも同じ気持ちだった思います)。
――ということがあって、長い時を経て再びお祭りに参加することになったのでした。参加と言ってもイベント会場の一角でちょこっとだけの気楽な感じです。
母が慢性膵炎になって入院手術を繰り返す生活になってから、外に出かけていくイベントの仕事を休止し、家で描けるお仕事だけを受けるようにしました。
そんな中でも時折は昔馴染みの場所で似顔絵は描いています。イベントは好きなので、できる範疇でやってます。
さらに今回は昔馴染みだけでなく「老人ホーム」ということで、色々思うこともあって。いやほら…やっぱり先のこととか考えるじゃないですか。こうやってご縁があると、将来入所した時のイメージがつかめるかなあ、とか。
え?母? いやいや違いますよー、私です、わ・た・し。
だって私、今年還暦迎えるんです。
結婚してないし子どももいないんです。
てことは老後もおひとり様なんです。
「60才から入所できますよ」っていう当時の園長さんの言葉、あの頃は笑って聞いてましたが、気がつけば母じゃなく「私」が入居対象者です。
多少早くても頭がしっかりしてるうちに老人ホームに入るべきかなあ、入るなら気心の知れた所がいいなあ、とか思いますよマジで。
母によく言うんですけど、「あなたはいいの、私がいるし隣には弟一家もいるし、ボケようが倒れようが、とりあえず何とかしてもらえる。でも私はひとりだから、できるだけ周りに迷惑かけずにすむよう老後の準備したいのよ」と。
そんなわけで、老人ホームのお祭りでついつい自分の将来をシミュレーションしてしまう私でした。自分の老後を思案する娘の横で、最近脚の調子が良くなってきた母はお祭りを堪能。
スタートと同時にバザーと軽食の出店に突入。野菜や焼きそばをゲットした後はお隣のブースでワークショップに参加、太鼓やフラダンスのステージショーを観覧し、最後はよさこいチームの皆さんに誘われてステージの上で鳴子片手に楽しそうに回ってました(ステージ写真の左隅に写ってます)。
この調子だと私が入所を決心した時に、私より元気な母が一緒に入居しますみたいなことになりそう…そんなエッセイを書く日がくるかも?
さて、そんな母ですが、本日膵臓の検査日です。来週結果を聞きに行きます。次回「異常なくて安心しました~」とご報告できることを願っています。
NOオイルMemo「ソースは脂質制限の味方♪」
「脂質1食10g」が目安の母の食事のため常備している調味料のひとつが「ソース」。ウスターソースもお好みソースもこってり濃厚味ですが、実はほぼほぼ「NOオイル」なんです。
お祭り定番の「焼きそば」も、麺を炒める油をぐっと減らし、野菜をレンチン、具材には脂の少ない豚もも肉やイカ・エビなどを使えば、母もガッツリ食べられます。
市販の「焼きそば用中華麺」は油がからめてあるものが多いので、「ゆで中華麺」を使うようにしています。
参照「日本食品成分表2026(八訂)」/医歯薬出版株式会社
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。59才。山口県で83才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
『読者体験!リアル迷惑人間大集合1 』Kindle版が発売中。
