猫が母になつきません 第486話「ひらあやまり」
またさびに怒られてしまいました。先日の猫ドックで左目にちょっと傷がついていると言われて、しばらく目薬をさすことになりました。顔を掻こうとして自分の爪で傷つけてしまったのではないかということでした。もちろんさびは目薬をさすのは好きではないのでごはんの前にささっと済ませてしまおうと思いました。ひざにさびを乗せて目薬をさし、さあごはんだよとなったのにさびはひどく怒っていて、いつもはすぐに食べはじめる食事に口をつけず私をにらんでいます。「え?食べないの?」とたずねましたがあきらかに抗議の構え、食事を拒否している。
さびは食事の直前に目薬をさされたことに怒っていました。一番楽しみにしていることと嫌なことをセットにされたことに怒っていました。思えば人間の勝手な考え…嫌なことを済ませたらなんて。そもそもさびはいつも協力的で、目薬をさそうとしているな、と気がつくとさりげなく逃げようとはするものの、簡単に捕まってくれて、目薬をさせてくれていました。猫なんだから本気で逃げようと思ったら逃げられるはずなのに。反省して謝ると、さびはやっとごはんを食べてくれました。「ごほうび」という概念は猫には通用しない。楽しみは純粋に楽しむ、成果や努力のひきかえではなく。またひとつ学ばせていただきました。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
※現在、1話~99話は「介護のなかま」にご登録いただいた方のみご覧になれます。「介護のなかま」のご登録(無料)について詳しくは以下をご参照ください。
