《YouTube登録者数75万人超の僧侶が説く》「欲が大きくなるほど苦しみも大きくなる」悩みや苦しみを減らして穏やかに生きる方法
現代の苦しみの原因は自分の”内側”と向き合っていないことにあると話すのは、『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ?』(アスコム)を上梓した、僧侶の大愚元勝さん。多くの人が苦しみの原因を外に求めているが、だからこそ苦しみが消えないのだという。そこで、現代の苦しみの解消につながる「仏教の教え」について詳しく教えてもらった。
教えてくれた人
大愚元勝さん/僧侶
たいぐ・げんしょう。佛心宗大叢山福厳寺住職、慈光グループ会長。僧名「大愚」は、何にもとらわれない自由な境地を表す。駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶、事業家、セラピスト、空手家の顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する。YouTubeのお悩み相談チャンネル「大愚和尚の一問一答」(https://www.youtube.com/@osho_taigu)は、登録者数75万人超。
欲が大きくなり続けるのが苦しみの理由
人間は誰しも欲を持っているが、これが大きくなるほど苦しみも大きくなるという。大愚さんによれば、このことに気が付いたのが、2500年前に「仏教」を説いたお釈迦様(ブッダ)だ。人は自分の欲望が満たされれば幸せになれると思っているが、欲望には際限がなく、「あれもこれもほしい」と感じ、さらに他人と比べることで「もっとほしい」と感じてしまう。この「もっと」という気持ちがある限り、満たされることはないため、苦しみも消えることはないという。
そこで、本当に幸せになりたければ、「もっと」と感じてしまう自分の内側(心)に目を向け、自分の想いを整えていくように努力する必要があるとブッダは説いたと大愚さんは言う。
「つまり、『自分の心の壁』を乗り超えていくことができれば、抱えている悩みを手放し、もっとおだやかな心で生きることができるということです」(大愚さん・以下同)
自分の内側を整える”努力”が必要
”努力”と言っても、経済的に恵まれた生活をするために仕事を頑張る、といった類のものではない。仏教では、自分の考え方を整えて「心の中にある苦しみを手放すために努力していくこと」を目指すという。
「対症療法ではなく原因療法(根本療法)。全部実践することは難しくても、これを少しでも実現できれば、今よりも生きやすい世界が目の前に開けるのです」
仏教の基本は「三蔵」を習得すること
大愚さんによると、仏教では「三蔵」と呼ばれる学問体系を習得するのが大切だという。三蔵は「経・律・論」という3つのパートで構成されており、「経」は「ブッダの教え」を指す。「律」は守るべき集団ルールのことで、「論」は経や律に対しての注釈書、または、経や律について後世の弟子たちが独自の理論をまとめたものを指す。
「この『経・律・論』を総称して『三蔵』と呼び、三蔵すべてに習熟したお坊さんのことを、三蔵法師と呼びます。三蔵法師といえば、中国の小説『西遊記』に登場するキャラクターが有名ですが、あれは固有名詞ではありません。歴史上、『三蔵』をマスターした法師はたくさんおられるのです」
「論」のなかに「苦の手放し方」がまとめられている
三蔵の「論」のなかには、人間の心について詳細に分析した『阿毘達磨』という解説書があり、このなかに「苦の手放し方」が登場する。2500年前に説かれたものだが、仏教では人々の悩みや苦しみがどのように生まれ、どのような性質をしており、心身にどのような悪影響を及ぼすのかが体系的かつ論理的にまとめられている。
「その内容は、現代の科学者がいろいろな調査を重ねて突き止めたことや、心理学者が常識として口にする『今のやり方』につながっています。ブッダは2500年前の時点ですでに、その領域に到達していたのです」
ブッダは「苦しみをなくす方法はある」と説いた
2500年前、ブッダは出家をして”苦しみ”と向き合い、その結果、「四諦八正道」を発見した。四諦は「苦・集・滅・道」から成る4つの真理で、「苦」は人間が持つ苦しみそのもの、「集」は苦しみを生む要因やメカニズム、「滅」は苦しみの原因を知り、それを減らしていくこと、「道」は苦しみを手放すための方法を指す。つまり、「生きることには苦しみがあるが、苦しみには原因があり、その原因がわかれば苦しみを減らすことができるうえ、苦しみをなくす方法はある」ということだ。
「では、苦しみを捨てるために、具体的に何をすればいいのか? まずは、自分自身の心の中を徹底的に見つめることです。苦しみの原因を自分の外にばかり求めていたら『なぜ起きるのか?』『どうやって起きるのか?』といったことがまったく見えてこないからです」
自分の苦しみと向き合うことで苦しみを減らせる
苦しみを生み出す原因は、自分の外側ではなく内側にある。そのため、苦しみを捨てるには、自分の心と正面から向き合い、妄想や思い込みなどの「壁」を越えていく必要がある。
「その『自分のなかにある壁』を超えることができれば、抱えている悩みや苦しみを手放し、もっとおだやかな気持ちで生きることができるようになるのです」
「瞑想」で自分の心に意識を向ける
仏教では、自分の心に意識を向けて集中することを「瞑想」という。瞑想と聞くと座禅を組むことをイメージするかもしれないが、「あまり難しく考えなくても大丈夫です」と大愚さん。瞑想で大切なのは、あくまでも集中することであり、その集中力を「善き自己改革のために充てていく」ことだからだ。
「ブッダは瞑想によって、自分自身の心を観察し、その真理を発見しました。苦しみが生まれる原因をしっかりと理解し、自分の心の中でつくられるプロセスを見つめることができれば、間違いなくそれを減らしていくことができる──これが修行によって導き出されたブッダの結論なのです」
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