猫が母になつきません 第470話「ふーっ」
今、こんな感じです。母猫と2匹のガリガリとの衝撃の出会いから二ヶ月半で。
最初はベランダでごはんを食べさせていたのですが、とにかくごはんまっしぐらでサッシを開けると家の中に飛び込んでくるようになったので、それを利用して家の中で食べさせる回数を徐々に増やしていきました。お皿の位置もサッシのそばから毎日少しずつ中へ中へとずらしていきました。ベランダに爪研ぎや段ボールハウスを置くと2匹はそこで過ごすことが多くなっていきました。とは言ってもやはり野良猫なので子猫といえども警戒心は半端なく、私が近づくとすぐに逃げてしまいました。触ることもできません。それでも家の中にだんだん慣らしていき、寒くなってきたこともあってある日子猫たちがごはんを食べている隙にサッシを締めて子猫たちが外に出られないようにしました。その日から2匹は家猫になりました。
子猫たちは自立するにはまだ小さすぎました。それでも母猫が子猫を置いて去ったのには理由がありました。母猫はうちの隣の空き家で子猫を産んで、そこで育てるつもりだったと思うのですが、その空き家でリフォームが始まってしまったのです。毎日作業員の人が何人もやってきて、にわかに騒がしくなり、母猫はもうここに住むことはできないと判断したのだと思います。で、なんか隣に猫飼ってる人がいるから預けちゃおうと。で、今こんな感じになっているわけです。
元気で、ものおじしない2匹に先住のさびはおかんむり。でもさびが「ふーーーーっ」と威嚇しても隊長もぐれも全然気にしない。じゃれようとさえする。それを見て私は「ふーっ」とため息。だめかー。さびはもう12歳だもんねー。めんどくさいよねー。うるさいよねー。仕方ない。
さびが子猫たちをまったく受け入れないので2匹とも里子に出すことを決めました。隊長はすでにもらい手が決まり、ぐれもお見合いの予定があります。隊長もぐれも今はぜんぜんガリガリではありません。母親似の美猫になりました。期間限定の2匹との生活…いなくなってしまったときの寂しさを想像するとたまりませんが、とにかく今は思いっきりかわいがろうと思います。
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作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
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