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健康

《50代の9割がプレ・フレイル》実態調査「早めの対策を!」と専門家 髭男爵・山田ルイ53世さん「まさにフレイルです」

 健康寿命の延伸に向けて国や自治体でもフレイル予防を啓発する取り組みが増えている。未病や不調と向き合ってきたツムラがフレイルについて調査したところ、50代で「フレイル」または「プレフレイル」に該当するのは約9割ということが判明した。その結果を踏まえて誰もが“心”や“身体”そして“社会的”にも健康であるよう「50才からのフレイルアクション」プロジェクトを始動。ナレーションを担当したお笑い芸人・髭男爵の話も合わせてご紹介する。

人生100年時代を健康に過ごすため早めの対策を

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題を抱える年となった今、健康寿命の延伸に向けて国や自治体でもフレイル予防を啓発する取り組みが増えている。「フレイル」とは、年と共に体力や気力が低下した虚弱状態のことであり、放っておくと病気や要介護状態へ悪化してしまうことも。しかし、適切な対策で健康な状態へ戻ることも可能だという。だからこそ、50代の早期からフレイル対策を行うことが重要と言える。

 2024年12月にツムラが実施した調査によると、厚生労働省作成の「基本チェックリスト」をもとに評価したところ、50代で「フレイル」または「プレフレイル」に該当するのは約9割(90.5%)に上ることが明らかになった。

 さらに、この「フレイル」または「プレフレイル」に該当する50代の中で、該当項目のいずれかでも「特に対策をしていない」と回答したのは約9割(87.8%)となった。

 50代のほとんどの人がフレイル・プレフレイル状態になっているにも関わらず、早期に適切なフレイル対策ができていないことが示唆された。

 そうした背景を踏まえ、創業から130年以上に渡り漢方と共に「未病」や不調と向き合ってきたツムラは、早期からのフレイル対策の重要性を啓発するプロジェクトを発足。一般的には高齢者に向けた取り組みが多いフレイル対策について、早期の段階で取り組む人を増やし、誰もが“心”や“身体”そして“社会的”にも健康であるwell-beingな状態で、人生の後半戦を迎えられることを目指す「50才からのフレイルアクション」プロジェクトを始動した。

「50才からのフレイルアクション」プロジェクト概要

 プロジェクトの名称は「50才からのフレイルアクション」。特設サイト内にて、自身がフレイルに当てはまっているかを確認できるチェックリストや、フレイルの対策と改善方法、フレイルに関する相談先などを紹介している。

 フレイルの兆候を身近にチェックできる方法のひとつである「ペットボトルチェック」にススムくんが挑戦し、苦戦するススムくんにモドレルくんが「それフレイルかも」という気付きを与えるストーリーで、50才からフレイル対策を行う重要性を視覚的・聴覚的にもわかりやすく啓発する内容となっている。

「フレイルについてぜんぜん知らなかったので、いただいた台本を読みながら、とても勉強になりました。そんなボクも今や、友人と「それフレイルかも?」と考えるようになっています(笑)。このWEB動画を見て、皆さんにも知って欲しいですね。もしかしたら、あなたの中にもススムはいるかもしれませんので、ぜひチェックしてみてください」(ひぐち君)

フレイルに関する中年世代の意識と実態調査

1.「フレイル」自体の認知がまだまだ低い現状

 まず「フレイル」の認知度について調査を行うと、40~60代全体で「フレイルという言葉を知っている」と回答したのは23.4%、「フレイルの言葉の意味まで知っている」と回答したのは11.9%という結果となった。年代別で見ると、これまでフレイルの啓発対象であった60代における認知度は52.2%と半数を超えているが、フレイルの早期対策が必要となる50代における認知度は31%に留まっているのが現状だ。

2.フレイル・プレフレイルでも対策できていない人が多数

 また、厚生労働省作成「基本チェックリスト」に基づき評価したところ、50代のうち、「フレイル」に該当するのは50.5%、「プレフレイル」まで含めると90.5%の人が該当することが明らかとなった(※)。そして50代のフレイルまたはプレフレイル該当者において、基本チェックリスト25項目のうち、該当する項目いずれかに対して「特に対策をしていない」人は87.8%と、何らかの変化や不調がある場合でも特に対策をしていない人が多いことも浮き彫りとなった。

(※)本調査では、「基本チェックリスト」(厚生労働省作成)25項目のうち、8~25個該当する場合に「フレイル」、4~7個該当する場合に「プレフレイル」としている。

専門家が解説 50代からフレイル対策が必要な理由とは?

 今回の調査結果について、東京都健康長寿医療センターのセンター長、秋下雅弘さんに話を聞いた。

「今回の調査で、50 代の半数がフレイルで、プレフレイルを入れると 9 割が該当という結果には驚きました。日本人の健康寿命もこの先低下に転じるのではと心配しています。

 調査では、友人関係や外出といった社会参加に関するものでの該当が多い結果でしたが、最近の若者から中年期に一貫したライフスタイルを表しているのではないかと想像します。続いて、運動に関する項目でも該当が多く、運動習慣の不足も影響して筋力低下に繋がっていることが推察され、若年期からの生活習慣に加えて、ポストコロナでのリモート生活の影響と考えられます」

筋肉量は50代からも減少!

「50代でも筋力、筋肉量は減少してきていますが、普通はまだ生活に影響するほどではありません。しかし、50代という変化の大きな時期に何も対策を講じないでいると、60代、70代とさらに筋肉は減少してちょっとした動作や生活にも影響が出るようになり、また気分的にも行動変化に結びつけるのは難しい、まさに取り返しのつかない状況に陥るリスクがあります。

 50代ならまだ十分に加齢変化を止め、あるいは回復することも期待できますので、まだ間に合うという意味でフレイル対策はこの時期に始めるのがよいでしょう」

 秋下さんはまず「フレイルチェックを行いましょう」と話す。次の項目では、フレイルチェックの仕方を紹介する。

身近にできるフレイルチェック

 フレイルの兆候がないかを身近に確認できるフレイルチェックをしてみよう。

【1】ペットボトルチェック

 筋力低下を測るひとつの目安が握力と言われており、男性は28kg以下、女性は18kg以下だとフレイルの可能性があるとのこと。そして、女性の握力目安と同じくらいだと言われているのがペットボトルの蓋を開ける動作で、身近にチェックできる方法のひとつとなっている。

【2】5項目のフレイルチェック

 5つの項目に答えることで、フレイルの状態になっていないかをチェックすることもできる。ひとつでもチェックが付く場合には、改善のために「栄養」「運動」「社会参加」の3つの対策を行うことが大切だ。(秋下雅弘さん監修)

1.体重減少 半年で、意図せず体重が2kg以上減った

2. 筋力低下 ペットボトルのふたを開けられないことがある

3. 疲労感 ここ2週間、わけもなく疲れた感じがする

4. 歩行速度 横断歩道を青で渡りきれないことがある

5. 身体活動 軽い運動やスポーツを週に1度もしていない

 上記のチェック方法の他、より詳細な「基本チェックリスト」は、特設サイトに掲載している。これを機に目を通して、自身の状態を確認し、フレイルまたはプレフレイルかも…と少しでも感じたら早めの対策をおすすめする。

■基本チェックリスト
https://www.tsumura.co.jp/frailty-action/assets/doc/check/frailty_check.pdf

【データ】

ツムラ
https://www.tsumura.co.jp/

50才からのフレイルアクション 特設サイト
https://www.tsumura.co.jp/frailty-action/

【調査概要】

調査名:フレイルに関する中年世代の意識と実態調査
調査主体:ツムラ
調査実施会社:QO
調査方法:インターネット調査
調査対象者:全国の40~69才男女
サンプル数:600サンプル
※各性年代100サンプルずつ均等回収し、人口構成比に合わせたウエイトバック集計を実施
調査日:2024年12月11日(水)~12月12日(木)

※ツムラの発表したプレスリリース(2025年1月30日)を元に記事を作成。

図表/ツムラ提供 構成・文/秋山莉菜

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