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暮らし

介護リフォームが必要だと思う場所ランキングTop3は「玄関、浴室、トイレ」<調査>レポート

 加齢により身体が衰えると、少しの段差でも転倒しやすくなったり、慣れた場所でもうっかりバランスを崩してしまったりすることも…。在宅介護における事故や負担を減らすため、自宅のリフォームを検討する人も多いのではないだろうか。「介護リフォームに関する意識調査」(AlbaLink)によるランキング結果と共に、介護リフォームを考える際のポイントを紹介する。

介護リフォームは必要?「介護リフォームに関する意識調査」

「介護リフォーム」とは、自宅で介護をしたり受けたりするにあたり、事故のリスクや移動の負担を減らすために行うリフォームのこと。若い頃は何ともなかった些細な段差に、高齢になってからはよくつまづいてしまう、というケースは多い。老後も住み慣れた自宅で安心して過ごせるようにと介護リフォームを検討する人も多いのではないだろうか。

 そこでAlbaLinkが運営する「訳あり物件買取ナビ」は、30代以上の男女437人を対象に「介護リフォーム」についてアンケート調査を実施した。その結果から、家の中で介護リフォームが必要になるのはどこか、どういったリフォームを行うのがいいのかなど、介護リフォームのポイントを見ていこう。

将来「介護リフォーム」が必要になると思う人は約8割

 まず最初に将来介護リフォームが必要になると思うかを尋ねたところ、「とても思う」「まあ思う」と答えた人が合わせて75.7%という結果となった。

  購入・建築後から時間が経っている家の場合、バリアフリー対応が不充分なことも。そのためいざ在宅介護が始まった時に不便なのではと感じている人が多いようだ。

 一方で、必要ないと回答した人の中には、「介護しやすいように工夫して建てたから」と始めから老後を見越した家づくりをしていたという人もいた。ただし、ある程度バリアフリー化されている家でも、介護の度合いや困りごとの内容によっては改めてリフォームが必要になる可能性もあるだろう。

 また、「介護が必要になったら施設に入るつもりなので、リフォームは必要ない」と回答した人もいたようだ。

介護リフォームが必要な箇所1位は「玄関・玄関アプローチ」

 次に介護リフォームが必要だと思う箇所について尋ねると、「玄関・玄関アプローチ(224人)」と回答する人が最も多く1位に。2位は「浴室(165人)」、3位は「トイレ(98人)」と続き、段差や水回りを気にしている人が多いことが判明した。段差が多かったり、水回りの床が滑りやすいものだったりすると、転倒して怪我をするリスクが高いからだろう。

  また、場所は様々だが「手すりを付けたい」という回答も目立った。やはり安心して移動できることを重視する人が多いようだ。

<1位 玄関・玄関アプローチ>

 最も多かったのは玄関・玄関アプローチ。「引き戸にしたい」「スロープを付けたい」「手すりを付けたい」などの希望が寄せられた。引き戸にすることで、車椅子での出入りや介護者が被介護者を支えながらの出入りが楽になるという面があるためだろう。また、スロープを取り付ければさらに車椅子の利用がしやすく、足腰への負担や転倒のリスクも減らすことが出来る。

 上がり框(かまち)の段差を小さくしたりスロープを付けたりする場合、大掛かりなリフォームを行わなくても福祉用具の設置で不便を解消出来る可能性もあるようだ。

<2位 浴室>

 続いて2位の浴室は、転倒事故のリスクが特に高い場所だ。例えば「脱衣所・浴室間の段差につまづく」「濡れた床で滑る」「浴槽を跨ぐ時にバランスを崩す」などが考えられる。

 そのため「床の素材を滑りにくいものに変更」「手すりの設置」「床と浴槽の段差を低くする」「車椅子が入れるようにリフォームする」などの回答が多かった。

 また、浴室が広くなれば、介護者も浴室に入りやすいという利点もあるだろう。

<3位 トイレ>

 トイレの介護リフォームとしては、手すりの設置の他、「引き戸にする」「段差をなくす」「床をクッションフロアにする」「広くする」などが挙げられた。和式トイレを使用している家庭であれば、洋式への変更を検討する人も多いのではないだろうか。

 間取り変更も視野に入れるのであれば、トイレを寝室の近くにするのもおすすめだ。

<4位 階段>

 階段も転倒事故のリスクが高い場所と言えるだろう。特に「階段が急」「滑りやすい素材」「踏板の幅が狭い」といった場合には、足を滑らせたり踏み外したり、といったリスクが考えられる。

 そのため、「手すりを付ける」「リフト・昇降機が欲しい」という希望が多かったようだ。手すりを付けても危険なようであれば、踏板や踏面を広くする、緩やかな角度の階段にする、などのリフォームが必要となってくるだろう。

 また、「階段が危険なので平屋にしたい」「1階だけで暮らせるようにリフォームしたい」など、そもそも階段を使わずに生活をしたいという回答も複数あった。

<5位 廊下>

 家の中を移動する際は必ずと言っていいほど通ることになるのが廊下だ。「手すりを付けたい」「浴室までの廊下は、広くして車椅子で移動しやすくしたい」など、移動に関する回答が多く寄せられた。また、廊下と各部屋の境目にある段差を解消しておくと、転倒事故を防ぎやすくなり、車椅子での移動もしやすくなるだろう。

 廊下が滑りやすかったり、摩擦が大きく車椅子で移動しにくい床材だったりする場合には、床材の変更も検討してみるといいかもしれない。

<6位 リビング・ダイニング>

 リビング・ダイニングを主な生活スペースとして使うためのリフォームを考えている人も多い。例えば「リビングにベッドを置くためのリフォーム」「リビングで洗濯物を干せるようにするためのリフォーム」などだ。

 リビング・ダイニングが畳の場合には、ベッドを置きやすくするためや、掃除を楽にするために、フローリングに張り替えるのもおすすめだ。

<7位 介護される人の居室>

 寝室などの居室にも、手すりを付けたり、床材を変更したりなどのリフォームが必要だと考えている人も多数。居室の場所を変えるのであれば、トイレや家族の目が届きやすいリビングの近くなどに移動させるのがおすすめ。

 ベッドを置いた上で車椅子や介護者の動線がしっかり確保できるよう、広さを気に掛けるのも大事なポイントだ。

タイミングは「健康・運動機能に不安を感じたら」

 次に、「介護リフォームはどのタイミングでしたいと思うか」という質問を行った。その結果「健康・運動機能に不安を感じたら」と回答する人が44.6%で最も多かった。例えば「階段を上がるのがしんどくなってきた」「浴槽に入る時に転びそうで怖い」といった不安があるだろう。自分や配偶者だけではなく、親の健康や運動機能に不安を感じたらリフォームを検討するという人も。

 3位には「介護が始まったら」という意見がランクイン。「実際に介護が始まって状況を見てからでないと、どんなリフォームが必要かわからない」という声があるように、不便を感じ始めてからそれに合わせて無駄なくリフォームを行いたいと考える人も多いようだ。

 また、「一定の年齢になったら」「定年後」など年齢を目安に考えている人も多数。身体機能が衰え始める60~65才頃、かつ退職金が入りリフォーム資金が出来た時点で、「今の家にずっと住むならリフォームが必要かな」と考える人も多いのかもしれない。

満足の行く「介護リフォーム」のために

 調査の結果、介護リフォームにおいて「段差の解消」「水回りの整備」を重要視する人が多いと判明した。段差・水回り共に転倒事故のリスクが高い場所であり、これは納得出来る結果と言えるだろう。

 また、「引き戸への変更」や「水回りや廊下のスペースを広くする」など、車椅子での移動を見据えたリフォームを考えている人も目立つようだ。

 事前に介護リフォームを行い、バリアフリー化を進めておけば、高齢者も自力で滑動しやすく安心というメリットもある。しかし、実際に介護を始めてから「予想していなかったリフォームが追加で必要になる」などデメリットが生まれる可能性も。

 自宅で介護リフォームが必要になりそうな場所はどこか。自身や配偶者、両親の健康・運動機能の現状はどんな感じなのか。あらかじめよく確認をして、一度家族間でも話し合っておくことをおすすめする。

【データ】

AlbaLink

https://albalink.co.jp/company/

訳あり物件買取ナビ

https://albalink.co.jp/realestate/

【介護リフォームは必要?】リフォームが必要だと感じる箇所ランキング

https://albalink.co.jp/realestate/nursing-care-renovation/

【調査概要】

調査対象:30代以上の男女

調査期間:2024年7月5日~19日

調査方法:インターネットによる任意回答

有効回答数:437人(女性265人/男性172人)

回答者の年代:30代34.3%/40代30.9%/50代25.6%/60代以上9.2%

※AlbaLinkの発表したプレスリリース(2024年8月21日)を元に記事を作成。

図表/株式会社AlbaLink提供 構成・文/秋山莉菜

●廊下の手すり設置や家具の移動でケガをした…【在宅介護で家のリフォーム】やらない方がいいこと、やっておきたいこと

●シニアの自宅リフォーム術チェックポイント|住宅改修は定年前にやるべき

●50代から始める「最期まで暮らせる家」改修ポイント5つ リフォームの注意点を解説

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