シミ治療は保険診療でどこまでできる?医師が教える【皮膚科】【美容皮膚科】の違いや治療法「シミ取りでもセカンドオピニオンを」
触るとわずかに盛り上がっており、色はさまざま。老化や長年にわたる紫外線ダメージの蓄積により角質層が異常に厚くなった状態で、「老人性イボ」ともいわれる。老人性色素斑を伴い、その上にできることもある。
<治療法>
保険適用で、液体窒素による冷凍凝固療法なら1回につき3割負担で1500~2000円。電気メスによる外科的切除術の場合は3000~5000円。自費診療のCO2レーザー療法で1万~2万円が相場。
【4】炎症後色素沈着
ニキビや傷などの炎症、虫刺されなどでのかきむしり、眼鏡の痕などにメラニン色素が茶色く沈着してシミになったもの。力を入れすぎたマッサージなど、間違ったスキンケアによる摩擦刺激が原因で肌が炎症し、シミになることも。
<治療法>
シミの原因であるニキビやかぶれの治療は、保険適用。だが、ニキビやかぶれでできたシミは、ビタミンCの内服薬以外は基本的に保険適用外。自費診療ではハイドロキノン外用薬の処方など。
【5】雀卵斑(じゃくらんかん/そばかす)
鼻や頰を中心に左右に広がる小さなシミ群。遺伝的要素が強く、幼い頃からでき始め、思春期にかけて徐々に濃くなる。色白の人に多く、紫外線を浴びても濃くなる。よく見るとシミの形は〇でなく、△や□になっていることが多い。
<治療法>
そばかすは疾病ではないため、治療は保険適用外。自費診療としてはフォトフェイシャルなどの光治療やレーザー治療が有効。費用はクリニックによって差が大きく、1回5000~5万円ほど。
もしかしたらシミじゃないかも?シミと間違えやすい3つの病気
【1】ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADMは、思春期以降に頰、額、下まぶた、小鼻付近にできるグレーや青みがかった色のあざのこと。メラニンが表皮ではなく、その下の皮膚の深い部分(真皮)に現れている状態。シミではなく、あざに分類されるため、保険適用でレーザー治療が受けられる。
【2】日光角化症
紫外線がよく当たる部位にできる、やや赤みをおびた“まだら状”のシミや、黄みがかったかさぶたがついたシミ。触ると表面がざらざらしているのが特徴。がん細胞が表皮部分にとどまっている状態の前がん病変で、放置すると真皮に達して有棘細胞がんに進行し、転移する恐れもあるため早期の治療が必要。保険適用で、液体窒素による冷凍凝固療法や光線力学療法、外科的切除などにより、病変部分を取る治療を行う。
【3】肌のくすみ
上の肝斑と間違えられることがあるが、くすみは肝斑と違って顔全体にメラニンが蓄積して肌色にムラがあり、肌が暗く見える状態。ターンオーバーの乱れや血行不良、乾燥などが原因のことが多く、光治療やピーリング治療(保険適用外)で改善できる。スキンケアと食生活の見直しも有効だ。