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暮らし

50代以降は要注意<ゆらぎ肌>赤みやかゆみなど「肌をゆらがせない10の対策」を皮膚科医が伝授

 花粉や紫外線などによる肌荒れで春を感じ始めた人も多いだろう。かゆみや赤み、乾燥など、繰り返す肌トラブルに悩み、日中はメイクやマスクで隠して過ごしながら、夜になると話題の美容液やピーリング剤を試し、そのたびに悪化する肌にため息をつく。いったい、私のスキンケアのどこが間違っているの? 気になる”ゆらぎ肌”の原因と対策を専門家に伺った。

教えてくれた人

柴亜伊子さん/あいこ皮フ科クリニック院長

高瀬聡子さん/ウォブクリニック中目黒総院長(高はハシゴダカ)

ゆらぎ肌とは?「日によって肌状態が変わる」

 毎年、春の訪れとともに肌トラブルが起きるのは、肌が“ゆらいで”いる証拠かもしれない。

 あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子さんが解説する。

「『ゆらぎ肌』とは、季節の変わり目や生理前などに一時的に肌荒れする状態のことを指しているようです。正式な医学用語ではなく定義もありませんが、特にこの時期は環境の変化に肌が追いつかずに突然荒れたり、日によって肌状態が変わることに悩む人は少なくありません」

 ゆらぎ肌は「乾燥肌」「脂性肌」といった肌タイプの一種ではなく、肌の状態が日ごとに変化することで、誰にでも起こりうる現象だと話すのは、ウォブクリニック中目黒総院長の高瀬聡子さんだ。

「肌はいわば外気との境界線。常に変化しながら、温度や湿度の変化のほか、花粉や大気汚染物質を受け止めているのです。その変化の振れ幅、つまり『ゆらぎ』が大きくなると、もともと肌が強い人でも肌の状態は悪化する。振れ幅が大きくなりすぎないよう、予防・対処することが大切です」

ゆらぎ肌の原因は多岐にわたる

 肌をゆらがせずにこの時期を乗り越えるためにまず知っておくべきなのは、「ゆらぎ肌の原因は多岐にわたる」ということ。

 例えば、生理前や生理中に肌がゆらぐのは、貧血によるもの。肌の健康に欠かせない栄養素であるたんぱく質や鉄分、亜鉛、ビタミンA、B群などが造血のために優先的に使われ、本来肌に届くべき栄養が不足することが原因だ。

「激しい寒暖差のほか、入学や転勤といった環境の変化によるストレスで自律神経やホルモンバランスが乱れることも、肌トラブルにつながります。また冬の間は保湿や加湿に気をつけていた人も、気温が上がるとおろそかにしがち。冬よりも紫外線量が格段に増えるので、乾燥した肌は大きなダメージを受けます」(柴さん・以下同)

 このほか、花粉も原因になる。

「これは、花粉症でない人も同様です。資生堂の研究では、アレルギーの有無にかかわらず、スギ花粉に含まれる抗原たんぱく質の『Cry j1(クリジェイワン)』が、異物の侵入などの外部刺激から体を守る皮膚の『バリア機能』を低下させ、肌荒れを引き起こすことがわかっています」

ゆらぎ肌の対策「とにかく摩擦を避ける」

 恐ろしいのは、肌荒れを隠すための行動もゆらぎを加速させる原因になっていること。

 肌がゆらいでいるとき、まず避けるべきものは「摩擦」だ。どうしても手放せない場合を除き、【1】マスクはできるだけ外すのが、肌にとってはベター。

「コロナ禍でも、マスクの摩擦による皮膚炎が増えました。室内でもマスクが手放せないほど花粉症がひどいなら、まずは花粉症の治療を優先しましょう」

 【2】ファンデーションやコンシーラーの厚塗りもNG。塗っているだけで肌への刺激になるうえ、落とすときにも肌に負担がかかる。

「健康な肌は、表面の皮脂膜によって守られています。ところが、【3】洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使ったり、【4】ゴシゴシ擦って洗ったりすると必要な皮脂膜が流されてバリア機能が低下する。特に

【5】拭き取りタイプのクレンジングは、メイクを落とす力が強い分刺激になりやすく、拭き取る際の摩擦がゆらぎ肌を悪化させる。

【6】オイルクレンジングも皮脂を落とす力が強く乾燥を招きやすいので、肌がゆらいでいるときのクレンジングはミルクかジェルがおすすめです。【7】洗顔スポンジや洗顔ブラシのほか、【8】角質ケアも皮脂を取りすぎ、肌への刺激になります」(高瀬さん・以下同)

50代以降はとくに皮脂の取り過ぎに注意

 特に50代以降は皮脂の量が減るため、洗顔のしすぎには注意すべき。夜、クレンジングでしっかり汚れを落としているなら、【9】朝は洗顔料を使わず、お湯ですすぐだけでも充分なのだ。

「お湯の温度も重要です。【10】熱すぎるお湯は必要な皮脂まで流し去ってしまうので、洗顔は35℃程度のぬるま湯で行ってください」

 必要以上に皮脂を取り去ると、乾燥した肌は急いでもとの状態に戻そうと、大量に皮脂を分泌する。これがさらなる肌荒れを招く。

「過剰に分泌された皮脂は、酸化すると炎症の原因になる『過酸化脂質』に変わります。肌状態が悪いときの皮脂は特に酸化しやすいため、すでに肌がゆらいでいるときは、皮脂を取りすぎないことを意識すべきです」(柴さん・以下同)

ゆらぎ肌の対策10【まとめ】

【1】マスクはできるだけ外す

【2】ファンデーションやコンシーラーの厚塗りはNG

【3】洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使わない

【4】洗顔する時ゴシゴシ洗わない

【5】拭き取りタイプのクレンジングは避ける

【6】オイルクレンジングよりもミルクかジェルを

【7】洗顔スポンジや洗顔ブラシは使わない

【8】角質ケアは皮脂の取りすぎになるので避ける

【9】朝の洗顔はお湯ですすぐだけ

【10】洗顔する時は35℃程度のぬるま湯で

※女性セブン2024年3月28日号
https://josei7.com/

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