【リカバリーウェア】って何?着用すると期待できること、注目の商品や選び方などわかりやすく解説
家族のためにも自分自身のためにも健康や暮らしの情報を積極的にとり入れているというみなさん。その中には、リカバリーウェアという名前は知っているけど、何が期待できるのか、どう選んだらいいのか分からない、という方もいらっしゃるでしょう。この記事では、そんな疑問を、最新情報を交えながら解いていきます。
取材・執筆/堀けいこ
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。雑誌、ウェブメディアなどの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。リカバリーウェアを4年にわたり愛用している。
その1:リカバリーウェアとは
リカバリーウェアとは、疲労を回復することを目的として開発された衣類で、睡眠など休養するときの着用が基本となっています。プロのアスリートはもとより、忙しいからこそしっかり休息したいという人たちや健康志向のシニア世代など、幅広い層に愛用されています。
2010年に、介護用品メーカーが前身であるベネクス(本社・神奈川県厚木市)が、「リカバリーウェア」と名付けた休養時専用のウェアの販売をスタートしたのが始まり。リカバリーウェアは日本で生まれた機能性ウェアなのです。
その2:「一般医療機器」としてのリカバリーウェア
リカバリーウェアは当初、スポーツジムやデパートのスポーツ用品コーナーで発売されていたため、スポーツウェアの一種というイメージが強くありました。それが徐々に、日々の生活の疲れの回復を助ける普段着として浸透していきました。愛用者の裾野が広がっていったきっかけのひとつに、コロナ禍でお家時間を大切にしたいと考える方たちがリカバリーウェアに注目をしたことが挙げられます。
数多くのメーカーやブランドからリカバリーウェアが発売されるようになったことで、素材の特徴や着用感、特化する機能も多様化していきました。これではどう選んだらいいのか迷うのも不思議ではありません。
そんな状況の中、昨年から登場し始めたのが、「一般医療機器」として発売されるリカバリーウェア。実はこれが、何が期待できるの?という疑問を解くカギとなっているのです。
一般医療機器って?
まずは「一般医療機器」について説明しましょう。
医療機器とひと口に言っても、ピンセットのような小物類から、心臓ペースメーカ、CTやレントゲン装置、放射線治療装置などの大型のものまで多種多様。救急絆創膏、コンタクトレンズ、体温計や電子血圧計なども身近な医療機器です。その定義は、「人もしくは動物の疾病の診断、治療もしくは予防に使用されること、または人もしくは動物の身体の構造、機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等」。 製造や販売は医薬品医療機器法という法律で規制されており、どのようなものが医療機器に該当するかも医薬品医療機器法で定められます。
そうした医療機器は、人体へのリスクの大小によってI~IVの4つにクラス分けされていて、その中でもリスクが一番低いクラスIのもの(不具合が生じた場合でも人体へのリスクが低いと考えられるもの)を「一般医療機器」と呼びます。
「一般医療機器」の中には、『救急絆創膏』『水銀体温計』『弾性ストッキング』といった具合に商品カテゴリーが多様に設けられていますが、2022年10月、その分類の中に『家庭用遠赤外線血行促進衣』という“衣類”のカテゴリーが新設されました。
その定義は、「遠赤外線の血行促進作用により、疲労や筋肉のこり等の症状の改善を目的とした衣類形状の器具」というもの。それに伴い、性能の有効性が科学的、客観的に検証された試験データをもとに『家庭用遠赤外線血行促進衣』に該当するリカバリーウェアが「一般医療機器」として販売されるようになったのです。
その3:『家庭用線赤外線血行促用衣』に期待できること
一般医療機器『家庭用線赤外線血行促用衣』として発売されているリカバリーウェアは、生地に鉱物等を織り交ぜるなど、特殊な加工がされています。この鉱物が体温の遠赤外線を輻射(=発射)することで、着用時の血流の改善や疲労回復できます。つまり、どのリカバリーウェアを選んだらいいの?と迷ったときに「一般医療機器」であるかどうかをチェックすることが目安のひとつになるのです。
●遠赤外線の血行促進作用による効果
・疲労の回復・改善
・血液循環の改善
・新陳代謝の促進
・むくみの改善
・肩・腰・筋肉などのコリの改善
・冷え性の改善
(資料提供:ベネクス)
定義によると『家庭用線赤外線血行促用衣』には、上半身用と下半身用があり、少なくとも、前者は上腕部(二の腕)、後者は大腿部をカバーすることが必要とされています。目的やライフスタイルに合わせ、単体での着用はもちろん、身体の広範囲に効果を期待する場合は上下セットで着るなど、自分なりの着こなしをすることができます。