感染症予防の基本は引き続き【3密を避けること】と専門家 50才以上が選択できるワクチン一覧
感染症の中には、ワクチンで防げるものもある。なかでも、50才以上が選択できるワクチンを一覧で紹介する。ワクチンによっては費用の一部を自治体が助成してくれるものもあり、接種希望者は事前に自治体の窓口に電話等で申し込みが必要だ。ただし、ワクチンは人によっては副反応が出ることがあるのも事実。感染や副反応のリスクを理解した上で、接種を検討しよう。
※病名/定期・任意(※1)/ポイント/料金・その他
■帯状疱疹
<定期・任意>
任意接種。生ワクチン(※2)は皮下注射1回、不活化ワクチン(※3)は2回の筋肉内注射が必要。
<ポイント>
50才以上が対象。水痘にかかったことがある人は、体内に原因ウイルスを持っているので、接種が推奨されている。
<料金・その他>
不活化の方が発症を抑える確率が高いが1回約2万円と高額。自治体によっては補助があり、生ワクチンは6000~8000円程度。
■肺炎球菌
<定期・任意>
2023年度は65才、70才、75才、80才、85才、90才、95才、100才になる人が定期接種できる(例外もあり)。
<ポイント>
不活化ワクチンを1回。5年以上あければ2回目の接種も可能だが、2回目以降の効果はエビデンスが不確かとされる。
<料金・その他>
定期接種は1回0~5000円程度(自治体によって異なる)。任意接種は1回7500~9000円程度。脾摘患者は保険適用。
■インフルエンザ
<定期・任意>
65才以上および60~64才で基礎疾患のある人は定期接種。それ以外の人は任意接種。13才以上の場合、接種は1回でOK。
<ポイント>
病気が流行する前の10~11月の接種がおすすめ。効果が出るまでに2週間ほどかかり、5か月程度持続する。
<料金・その他>
1回3000~5000円程度。自治体による助成あり。コロナとインフルエンザのワクチンは同時接種が可能。
■新型コロナウイルス感染症
特例臨時接種。上腕三角筋への筋肉内注射。ファイザー社製、モデルナ社製、武田社製から選べる。
<ポイント>
現在「令和5年秋開始接種」が始まっており、初回接種を完了した生後6か月以上のすべての人が受けられる。
<料金・その他>
無料(全額公費負担)。当面、無料接種が続く見通しだが、いずれは有料化される見込み。接種券が必要。
■麻しん・風しん
<定期・任意>
7才以上は任意接種。麻しん風しん混合(MR)ワクチンを、4週間以上あけて2回接種する。
<ポイント>
麻しんや風しんにかかったことのない人、過去に1回しか接種していない人は検討を。接種歴が不明の場合は、母子手帳で確認を。
<料金・その他>
1回8000~1万円程度。妊婦が感染すると胎児に感染する恐れがある。2回接種で免疫獲得率は97~99%以上にのぼる。
■日本脳炎
<定期・任意>
任意接種。不活化ワクチンを3回接種することで、日本脳炎にかかるリスクを75~95%程度減らせる。
<ポイント>
以前は子供や高齢者に多くみられた病気で、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害やまひ等の神経系の障害を起こす。
<料金・その他>
1回5000~8000円程度。日本脳炎ウイルスを保有する豚が多く確認されている西日本では、特に接種の検討を推奨されている。
■おたふくかぜ
<定期・任意>
任意接種。生ワクチンを2回接種。1回目と2回目は4週間以上あける。1才以降から接種できる。
<ポイント>
ムンプスウイルスの感染を原因として発症する感染症。罹患すると難聴などの後遺症が起こる場合がある。
<料金・その他>
1回3000~8000円程度。ワクチン接種を2回していない人、おたふくかぜに感染したことがない人が対象。
■破傷風
<定期・任意>
任意接種。1968年生まれ以降は10年ごとに1回。1967年生まれ以前または破傷風ワクチン接種歴のない人は、3回接種後10年ごとに1回。
<ポイント>
土などに含まれる破傷風菌が作る毒素によって起こる感染症。ガーデニングなど土に接する機会が多い人は要注意。
<料金・その他>
4種混合は1回約1万円、2種混合は1回約4000円、破傷風単独は1回3000円。予防率は100%といわれている。
(※1)予防接種には、市区町村が実施する「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」がある。定期接種は公費だが(一部自己負担あり)、任意接種は自己負担となる。
(※2)病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られたワクチン。
(※3)病原体となるウイルスや細菌の感染能力を失わせたものを原材料として作られたワクチン。