ぐっすり眠りたい人へ!食べてはいけない食品「就寝前のアイスはNG」【専門家解説】
令和元年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると「途中で目が覚めてしまう」「ぐっすり眠れない」など日本人の5人に1人が睡眠に悩みを抱えているという。暑くて眠れないからと、お風呂上がりや寝る前にキンキンに冷えたお酒を飲んだり、アイスばかり食べてはいませんか?「毎日の食事」は睡眠の質に大きな影響を与える。快眠のために「食べて良いもの」「食べてはいけないもの」を専門家に聞いた。
夕食以降はカフェインを含んだコーヒー、緑茶は控えよう
覚醒作用のあるカフェインは眠りの大敵。だが、コーヒー100mlあたりのカフェイン量が60mgなのに対し、同量の煎茶は20mg、紅茶は30mg、玉露はなんと160mgものカフェインを含んでいる。
「夕食後は、コーヒーはもちろん玉露や煎茶なども控えた方がいいでしょう。一方、お酒は一長一短。少量ならリラックス効果がありますが、就寝時点で体に残るほど飲むと、睡眠が浅くなってしまう。お酒を飲むなら、女性は日本酒なら1/2合、ビールなら250㏄、ワインならグラスに軽く1杯程度を、夕食より前に飲むことを推奨します。また、唐辛子のカプサイシンは深部体温を上げるので、遅い時間に食べると寝つきが悪くなります。辛いものは昼食か、早めの夕食に食べるのがいいでしょう」(雨晴クリニック院長の坪田聡さん)
インスタント食品もできるだけ控えたい。保存料の一種であるリン酸塩がカルシウムの排出を促すことでイライラや落ち込みを招き、それによって睡眠の質が下がることが指摘されている。消化に時間がかかるため、高脂肪・高糖質な食事もNGで、寝る前のアイスクリームは“最悪”。脂肪分と糖分が多いうえ、冷たさが交感神経を刺激する。
その点、眠れない夜のお供の代名詞「ホットミルク」は理に適っている。ほどよく温かいだけでなく、乳製品にはセロトニンの材料になる「トリプトファン」が豊富に含まれているからだ。トリプトファンは乳製品のほか、バナナや大豆製品、ナッツ、卵、かつおなどに多く含まれ、これらは朝に摂取することで一日を通してセロトニンを増やし、夜の睡眠の質を上げる効果が期待できる。
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ぐっすり眠るためには「朝食はしっかり」「夕食は軽め」
中部大学・生命健康科学研究所の特任教授、宮崎総一郎さんは「睡眠のためには、とにかく朝食をしっかり食べて、夕食は軽めにすることが大切」とアドバイスする。
「朝食をしっかり食べれば日中を活動的に過ごすことができ、その疲れで夜の寝つきがよくなります。理想は、朝食で4品食べること。野菜や果物だけでなく、炭水化物とたんぱく質も欠かさず摂りましょう。食べる時間を前日の夕食から12時間ほど空けた時間にすると、体内時計が整います」(宮崎さん)
セロトニンの働きをよくするビタミンB6は、魚介類やレバー、赤身肉などに豊富。また、セロリやパセリ、三つ葉など、脳をリラックスさせる香り成分を含む「アロマベジタブル」を取り入れるのもおすすめだ。
睡眠改善サプリメントに活用されているグリシンやGABAは、食品から摂ることもできる。
「グリシンはアミノ酸の一種で、魚介類に多い。深部体温を下げて、自然な眠気を誘います。GABAは玄米や発酵食品、きのこ類などに多い。チョコレートにも豊富に含まれていますが、チョコレートはカフェインも多いので、夜に食べるのはおすすめしません」(坪田さん)