「コーヒーを飲むと情緒不安定になる!?」知っておきたい日本人特有の体質とは
テレビの健康番組の例を挙げるまでもないが、昨今、お手軽に健康を得たいと、最新の医療情報やブームの健康食品にはすぐ飛びついてしまいがち。大切なことは、「日本人には、日本人特有の体質があり、それは他のどの国民とも違う」という視点だ。
『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社)の著書がある医師の奥田昌子先生が人種による体質の違いから導き出されたデータ を基に、本当に日本人に効く健康法を解説する。
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牛乳に含まれる「乳糖」を 分解できない人が多い
骨粗しょう症予防に牛乳を飲むことを習慣づけている人も多いはずだが、実は、これもNGだという。
「日本人は、牛乳に入っている乳糖を分解する力が弱い人の割合が多い。そういったかたのことを『乳糖不耐症』と呼びますが、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする体質がこれにあたります。 また、乳製品の摂取量が増えれば増えるほど、前立腺がんの発症率が上がるという結果も出ています」(奥田先生、以下「」同)
欧米ではカルシウムを乳製品やサプリメントで摂ることが推奨されているが、日本人が乳製品を摂るようになったのは欧米からの影響。一般人が牛乳や乳製品を摂るようになったのは明治以降だというから、歴史が浅い。
「日本人は、緑黄色野菜、海藻、大豆、小魚からカルシウムを摂ってきた国民なので、そちらの方が合っていると考えられます。データで見ると、欧米人より日本人の方が骨粗しょう症になりにくいのです」
また、乳製品であるヨーグルトを毎日食べると、食物アレルギーを発症することもあるというから注意が必要だ。
「前述の通り、乳製品を消化する酵素の力が弱い日本人が毎日ヨーグルトを食べると内臓の負担が大きい。頭痛や発疹、めまいなどを伴う食物アレルギーになることもあります」(奥田先生)
オリーブオイルは、日本人には生活習慣病のリスクを高める一因に
世界無形文化遺産にも指定され、長寿によいとされて世界的に注目されている、オリーブオイル、果物、ナッツを豊富に使った「地中海食」。地中海沿岸諸国で狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気が少ないことから、世界で取り入れられている食事法だ。
だが、その中心的な役割を果たすオリーブオイルも、日本人には生活習慣病リスクを高める一因になるという。
「オレイン酸が豊富なオリーブオイルは、バターやラードと比べると、コレステロールの合成を高めない不飽和脂肪酸が多く含まれていることでヘルシーというイメージが広まりました。 ダイエットや便秘解消に効くなどといわれていますが、日本人は欧米人と比べて内臓脂肪がつきやすい。摂取しすぎれば血糖値が上がり、血圧も上がり、動脈硬化が進んでしまうのです」(
同じ理由で、長寿食だともてはやされているナッツも脂肪が多く、日本人には向かないようだ。