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健康

なぜ、減塩しなくてはいけないの?「減塩3つのメリット」塩分摂取量簡易テスト付

 高血圧とは、さまざまな要因によって血液量が増えて、血管の壁を押す圧力が高くなった状態。これが続くと血管は弾力を失い、動脈硬化などの命にかかわる病気になる。この、血液量が増える原因の1つが塩分だ。

 あなたは、1日の塩分、どのくらい摂っていますか? まずは、「簡易塩分摂取量テスト」をやってみましょう!

簡易塩分摂取量テスト

 あなたが該当する項目の数字を合計しましょう

●料理の味つけは?

(1)だし、うま味を生かす →6点
(2)どちらともいえない→10点
(3)濃い味が好き→14点

●みそ汁、すまし汁、スープ、1日にどのくらい飲みますか?

(1)ほとんど飲まない→0点
(2)1杯程度 →2点
(2)2杯程度→4点
(4)3杯程度→6点

●麺類はどのくらい食べますか?

(1)ほとんど食べない→0点
(2)時々食べる →2点
(3)1日1杯必ず食べる→4点 
(4)1日2杯以上食べる→8点

●しょっぱいもの(塩鮭、塩辛、たらこ、佃煮など)は どのくらい食べますか?

(1)ほとんど食べない→0点
(2)時々食べる→1点
(3)よく食べる→2点

●漬物類はよく食べますか?(1日にきゅうり1/2本程度を普通に食べる量とする)

(1)ほとんど食べない→0点
(2)時々食べる→1点
(3)よく食べる→2点

 合計数が、あなたが1日に 摂取している塩分量(g)です。(※)

(c)yoshihiko watanabe

※生活習慣から計算した1日に塩分を摂取している目安です。

高血圧を放っておくと大変なことに

 減塩をうたった調味料や食品が巷にあふれている。しかしなぜ、減塩しなければいけないのか。

主なメリットは3つあります」と、“ミスター血圧”こと、東京女子医科大学東医療センター元内科教授の渡辺尚彦さんは話す。

 その3つとは、

1.胃がん予防 

2.心疾患予防 

3.骨が丈夫になる

 である。

「胃がんも心疾患も高血圧が引き金となる病気です。現在、日本人の3人に1人、50代以上になると2人に1人が高血圧だと診断されています」(渡辺さん・以下同)

 高血圧は自覚症状がないため、軽く考えている人が多いが、放っておけば取り返しのつかないことになる。

 そしてこの高血圧の原因になるのが塩分というわけだ。

日本人は塩分の摂り過ぎ

  私たちはどれくらい塩分を摂っていて、どれくらい減らせばいいのか。

「日本は、1日の塩分摂取量を、成人男性8g未満、成人女性7g未満と定めています」

 これは世界的に見ると“甘い”数値だとされる。WHO(世界保健機関)では5g、イギリスでは、2025年には3gになるからだ。

 ところが、目標量が“高め”に設定されているのに、実際の日本人の平均摂取量はそれより多く、成人男性10.8g、成人女性9.1gだ。

「世界的に見ても日本人は塩分を摂りすぎです。ヘルシーだといわれる和食も、塩分量は高いんです」

 たとえば、一般的な和朝食(1人分)では、ご飯以外のほとんどのおかずに塩分が使われており、みそ汁で約2g、塩鮭一切れで約1g、梅干し1粒で約3gの合計6g。たった1食で、1日の塩分量を摂ってしまうことになる。

塩分の摂り過ぎで骨がもろくなる

「塩分の摂りすぎは、高血圧の原因になるだけではありません。塩分を摂ると、尿と一緒にカルシウムが排出されるため骨がもろくなるんです」

 特に女性は、加齢や閉経によって骨密度を維持する女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため、50代を過ぎるとそもそも骨粗しょう症になりやすいのだ。さらに、女性はこの時期、塩分摂取量にかかわらず、血圧が上がる傾向にもあるという。

「加齢により血管が老化してもろくなるうえ、更年期でホルモンバランスが崩れると血管の伸縮性が弱まり、血管壁に圧力がかかりやすくなるからです」

 50代以降の女性にとっては、すぐに減塩を始めないと、命取りになりかねないのだ。

あせらず、少しずつ塩分を減らす

 減塩は一生続けなければ意味がない。しかし、塩分量の多い食事に慣れた日本人にとってこれは難しく、渡辺さんの外来にも、多くの相談者が訪れるという。

「挫折しやすい人は、無理な減塩をするから。それでは長続きしません。少しずつ薄味にならしていきましょう」

 味覚はリセットできるので、焦らず、あきらめず、少しずつ進めればいいという。

「遺伝子は変えられませんが、家庭の味は変えられます。薄味を意識して素材の味を楽しめば、自ずと健康な体になるはずです」

教えてくれたのはこの人

渡辺尚彦さん/ 東京女子医科大学 東医療センター元内科教授 。医学博士。愛知医科大学・早稲田大学客員教授、日本歯科大学病院臨床教授。専門は高血圧を中心とした循環器病。主な著書に『血圧を下げる最強の方法』(アスコム)、『血管いきいき! 減塩の基本』(宝島社)などがある。

※女性セブン12月20日号

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