カット野菜、実は美味しく健康的!時短で便利、もう手放せないその6つの理由
「店頭で変色していないのが不思議」という意見もある。
「カット野菜は色があまり変わらないため危険だ、と思われることがあるようですが、変色しないのは、低温を保ち、変色のもととなる酵素を働きにくくしているからです」(永吉さん)
実際の現場について前出の佐々木さんに聞いた。
「工程では一貫した低温管理を行っています。収穫された野菜は真空予冷機で急速に10℃以下まで冷却されてから、保冷庫に運ばれます。そして冷蔵車で工場に運び、工場では洗浄する水の温度も低温をキープするなど、野菜の呼吸を抑えて鮮度を保ちます」
もちろん売り場でも冷蔵管理を行う。さらに、包装も日々進化している。
「野菜の酸化を防ぐために、袋内の空気を窒素に置きかえて変色を防いでいます。また、野菜によって包装フィルムの仕様を変えるなどの工夫をしています」(佐々木さん)
また、野菜は「次亜塩素酸ナトリウム」で殺菌される。この消毒液は水道水や学校給食などでも使われているものだ。
「食品にはさまざまな細菌が付着しているため、加工する際は加熱殺菌するのが一般的ですが、カット野菜は加熱できないので、次亜塩素酸ナトリウムを使っているのです」(永吉さん)
ちなみに、カット野菜の原材料名を見ても「次亜塩素酸ナトリウム」の記載はないが、「製造過程で洗い流されるため残留していません。最終的に製品に残らないものはパッケージに記載しなくてもよいルールになっています」(永吉さん)
重宝される理由5:価格が気候に左右されない
野菜は酷暑や冷夏、雨の多寡などによって数量や品質が不安定になり、価格が高騰する。キャベツひと玉に500~800円の値がついたことも記憶に新しい。そんな時もカット野菜は心強い存在だと佐々木さんは言う。
「当社は産地との直接契約取引にこだわり、野菜の安定調達を行っています。現在、全国に約400の契約農家があり、品質と供給の安定を実現しています」
重宝される理由6:期間、地域限定のお楽しみも
「使用する野菜を若干変更している“地域限定商品”もあります。たとえばラーメン用のねぎは、長ねぎ、青ねぎ、玉ねぎなど、地域の食習慣に合わせて変更しています。また、北海道にはジンギスカン、九州ならもつ鍋や水炊き、沖縄はゴーヤーチャンプルー、にんじんシリシリなど食習慣に合わせたカット野菜を販売しています」(イオンリテール広報担当者)
サラダクラブは期間限定商品の種類も豊富だ。
「期間限定商品は旬の野菜を使っています。春は金美にんじん、夏はゴーヤー、秋はかぼちゃ、冬は紅芯大根や紫白菜を使ったサラダを。クリスマスやイースターなど、ハレの日にぴったりなサラダも発売しています」(佐々木さん)
家計にもやさしく、健康にもプラスなカット野菜、たしかに重宝しそうだ。
※女性セブン2018年11月15日号