一生歩ける体を作る「肩甲骨を開くトレーニング」ポイントは脇のインナーマッスル
100才まで元気で歩くためには足を鍛える事も大事だが、パーソナルトレーナーの柴雅仁さんは「肩甲骨を開くことが大切」だと話す。背中と足、一見関連がなさそうだが…。肩甲骨を開くことでどんな効果が得られるのか、理想の肩甲骨になるためのトレーニング方法も教えてもらったので、合わせて見ていこう。
肩甲骨を開いて体幹を安定させる
「一生歩ける体を作るには、肩甲骨を開いて、体幹を安定させることが大事です」
とは、パーソナルトレーナーの柴雅仁さんだ。肩甲骨を開くとはどういうことか。
「猫背は肩甲骨が外側に開いた状態です。それを解消するために、肩甲骨を寄せて胸を張る人もいますが、それも間違い。肩甲骨を寄せると、背中や首、肩に負担がかかり、こりや疲労の原因になります。理想は、肩甲骨の内側が浮いて、羽のように立って開いている状態です」(柴さん・以下同)
開くってこういうこと!
肩甲骨を開く鍵は前鋸筋
肩甲骨は動かさないと硬くなる。すると首が前に出て姿勢が悪くなり、首や肩のこり、腰痛の原因に。下半身にも悪影響を及ぼすという。
「肩甲骨を開く鍵となるのが、脇にあるインナーマッスル“前鋸筋(ぜんきょきん)”です。肩甲骨を動かしたり、肩を下げるときなどに使う筋肉で、ここが使えると肩甲骨が開いてほかの筋肉が動かしやすくなり、ひいては体幹が安定します」
前鋸筋を機能させれば、肩甲骨が開く。そのためのトレーニングは以下に詳述する。
前鋸筋はここ!
肩甲骨の内側から第1~9肋骨に付着しているインナーマッスルが前鋸筋。ここを使うと、肩や体幹を安定させる筋肉が連動して機能する。
肩甲骨の開き方
【1】わきのクロスポイント(※)を触りながら腕を前後に5回ずつ回す
クロスポイントとは、筋肉が重なりあっている部分。わきのクロスポイントは背中側の腕の付け根にある。ここを刺激すると、前鋸筋が働きやすくなるため、中指で押しながら、肩を前後に5回ずつ回す。両腕で行う。
(※)体軸コンディショニング協会が考案。
【2】わきを閉めながら肩を下げる
わきの下のクロスポイントを押したまま、ひじを曲げ、手のひらを上に向ける。そして、わきを閉めながら肩をぐっと下げる。左右10回ずつ行う。「クロスポイントに意識を向けたまま肩を下げることで、自然と前鋸筋に力が入り鍛えられます」。
【3】腕全体を前方にゆっくり伸ばす
【2】の状態のまま(わきを閉めて肩を下げる)、クロスポイントから指を外し、両手をゆっくり前方に伸ばす。骨盤が倒れないように注意しながら、肩~背中全体を丸める。これを10回行う。「このとき、わきから腕全体を伸ばすのをイメージしましょう」。
教えてくれた人
柴雅仁さん/パーソナルトレーナー
「痛みのない動ける体を作る」をモットーに、負担をかけない体の使い方などを指導。主な著書に『肩甲骨は閉じない、寄せない 開いて使う!体幹が安定して動けるカラダに変わる』(PHP研究所)など。取材・文/鳥居優美 イラスト/尾代ゆうこ
※女性セブン2022年8月18・25日号
https://josei7.com/
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