玄関に離婚届置き家出 介護施設で働く女性は幸せ?【60才で人生リスタート】
60才といえば還暦、定年、引退…もう老後?いえいえ、今の“60代女子”はまだまだ現役!そこで、アラ還で人生をリセット&リスタートした人にインタビューしました。
今回登場するのは、58才専業主婦の山田恭子さん(仮名・24才で7才年上の夫と結婚・30才と33才の息子は独立・実家は旅館経営で比較的裕福)。「生き直した」経緯を聞きました――。
がまんの連続だった結婚生活
34年の結婚生活は、とにかくがまんの連続でした…。夫とはお見合い結婚だったんですが、彼は私のことを家政婦としか思っていなかったんじゃないかしら。結婚当初からずっと愛人がいて、ほとんど家には帰ってこなかったし…。ただ当時の私は、離婚しないことこそ、妻の務めだと思っていたんです。
でも昨年、次男が結婚して家を出たのを機に、ひそかに介護施設でボランティアを始めたんです。施設の人はみんな親切で、「ありがとう」と言われることのありがたさを実感しました。でも、そんなささやかな楽しみも、夫にばれて奪われました。
「介護がやりたいなら、両親とおれの時にがんばれよ」
そう言われて…。子育てには喜びがあったからがんばれた。でも、憎しみしかないこの男の介護で自分の人生が終わるなんて耐えられない。
玄関に離婚届。着の身着のまま家を飛び出した
その時私の中の何かがはじけたんです。離婚しようって。かといって、世間体ばかり気にする夫が承諾するとは思えません。でも急がないと、年が明けたら夫が定年退職し、毎日顔を合わせることになる…。
焦った私は、ある休日、夫に「買い物に行ってきます」と言い、自分名義の通帳だけ持って、着の身着のまま家を出て、そのまま帰らないことにしたんです。玄関には離婚届を置いて…。
あれから1年…今は地方の特別養護老人ホームで働いています。3か月たって区役所に行ったら離婚されていましたが、元夫が今どうしているのか、全く知りません。子供たちには電話で事情を伝えたものの、まだ会えずじまい。会えば、元夫に居場所がばれそうで…。
私、この生活を守りたいんです。これまで築いてきた縁を全て切った今の方が、毎日が楽しいから…。自分で自由に選択して生きることの幸せをひしひしと感じています。(山田さんの語り終了)
* * *
無計画な離婚で貧困に!まとまったお金は確保して
――「結婚生活に耐えかねて熟年離婚するケースは増えています。ただし、山田さんのように、追い詰められての無計画な離婚は危険!」
そう語るのは、男女関係をテーマに、50冊以上の本を執筆し、熟年離婚に詳しいジャーナリストの亀山早苗さんだ。
「離婚に自由を求めているのでしょうが、住む家と経済の安定があってこその自由。この点においては冷静になりましょう。というのも、専業主婦が熟年離婚した後、貧困に陥るケースが多いんです。山田さんはたまたま貯金があり、実家も裕福なようですが、とにかく、まとまった額の現金と仕事は確保して離婚しましょう」(亀山さん)
※女性セブン2018年4月12日号
【関連記事】
●シニアは”ゆるトレ”でダイエット!-15kgで心も体も健康に【60才で人生リスタート】