高齢者買い物実態調査|シニアのネットショッピング利用歴は? 何を買っている?
シニアのネットショッピングに関するアンケート(アスマーク調べ)によると、8割以上が5年以上の利用歴があり、サプリやチケットを買っている人が多い。ネットショッピングを使う理由は、男女で違いがみられるなど、高齢者の買い物事情が明らかになった。
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シニアのネットショッピング利用歴5年以上が8割超
「買い物に出かけるのがおっくうでねぇ」と70代の母。かつてショッピングが大好きだった母だが、気がつけばパソコンの前でポチッと…。シニアの買い物スタイルが変わりつつある。
マーケティングリサーチ会社、アスマークが行った調査「プレシニア・シニアのネットショッピングに関する実態調査」によると、シニアの8割以上が5年以上前からネットショッピングを利用していることが判明した。
調査では、プレシニアを55~64歳、シニアを65~79歳と定義し、800名にアンケートを実施。調査結果によると、1年以内に利用し始めた人は少数だった。
また、SNS利用歴も5年以上の人が8割を超えており、ネットショッピングを利用している人はSNSの利用も積極的。SNSの閲覧や投稿で得た情報により、消費意欲も高まることが推測される。
ネットで買い物する理由は男女で意識に差
ネットショッピングを利用する理由については、男性シニアは「価格を比較できるから」が最多。「欲しいと思ったときにすぐに購入できるから」も多かった。
女性シニアは「重いものを買うのが楽だから」といった回答が多かった。
「飲料や酒類など重たいものをもって帰るのが辛くなってきた」(女性 60~64歳)
「家に車がなくなり重いものやかさばるものを買うのに困るから。手軽に利用できるので増えると思う」(女性 70~79歳)
といったリアルな悩みが、ネットショッピング利用に結び付いているようだ。
また、プレシニアの女性は、「ポイントが溜まりやすくお得だから」と答えた人が多く、「欲しいと思ったときにすぐに購入できる」は男性より少なく、衝動買いを控える節約志向にあることがわかった。
シニアがネットショッピングで何を買っている?
購入しているものは、生鮮食品以外の食品が圧倒的。家電やパソコン、衣類も多いが、サプリメントやチケット、CD・DVD・ブルーレイ(音楽や映画など)もネットでの購入が多い。
「CDや書籍など実店舗自体が減少しているので、ネットショッピングせざるを得ない」(男性 60~64歳)
「音楽はレンタル店で見つけることができないし、楽器も都会に構える店でないと 見つからないことが多い」(男性 65~69歳)
といった声が挙がり、ネットで自分に合ったものを探して購入しているシニア層が多いようだ。
また、ネットショッピングの利用サイトに関しては、楽天市場とAmazonが2強、次いでYahoo!ショッピングが続く。イオンやイトーヨーカドーなどネットスーパーの利用率はまだ低く、生鮮食品のネット購入はまだ広がっていないのが実情だ。
高齢者のネットショッピング事情まとめ
今回の調査では、さらに、シニア層の半数以上が「今後もネットショッピングの利用が増える」と答えている。また、シニア女性に関しては、「注文手続きの簡便さにも満足している」という回答も。
「だんだん年をとってくると外出して商品を比べるのが、おっくうになってくるから」(女性 65~69歳)
「介護が始まって自由になる時間が少なくなったので隙間の時間でぱっと買い物をしたいから」(女性 60~64歳)
こういったシニアが抱える買い物の悩みは、年々便利に使いやすく進化するネットショッピングの普及で解消されつつある。ネットショッピングを上手に利用して、いくつになっても快適な暮らしを続けたい。
出典:アスマーク(https://www.asmarq.co.jp/)
取材・文/介護ポストセブン編集部