もしも突然、停電になったら…備えるべきことシミュレーション
2011年の東日本大震災時、停電した戸数は約466万戸。青森県、岩手県、秋田県は全域、宮城県、山形県もほぼ全域にわたって停電が起こった。約94%の停電が解消したのは、発災から約8日後。日本は今、ほぼ電力で動いているといっても過言ではない。ライフラインが途絶えた時に、一体何ができるか――。
停電の備えが同時に震災の備えになる
東京電力によると、停電が起きる原因は大きく分けて2つあるという。自宅だけ停電する場合と、近隣含め広域で停電する場合だ。自宅だけが停電した場合は、電気の使いすぎや電気製品や家屋内配線の故障などが理由となるケースが多い。この場合は、使用していた電気製品のスイッチを切ってから、自分でブレーカーを上げれば停電は解消する。
一方、風雨や雷などによる荒天、地震などで電力設備が損傷すると、地域一帯で停電が発生する可能性がある。その場合は、電力会社が復旧作業を完了するまで、電気が使えなくなる。
危機管理アドバイザーの山村武彦さんは、「普段から震災に備えておけば、必然的に停電の備えができる」と話す(「」内以下同)。
電気の復旧は、1995年の阪神・淡路大震災で約6日、東日本大震災では約8日かかった。食料などの公的支援が来るまでにかかる時間も約1週間。電気が使えない、物資もない状態で、約1週間を乗り切るための備えが必要になる。
「まずは家族で、電気をまったく使わずに1日“本気で”過ごしてみてください。そうすると、懐中電灯よりもランタンの方が広範囲を明るくするとか、食べ物は温めなくても食べられるレトルトカレーが便利だとか、普段、電気を使っている暮らしからは見えてこないことがわかるはずです」
夏は熱中症対策や冷蔵庫の対処も!
停電になるとエアコンが使えなくなるので、特に夏は熱中症対策が必要だ。うちわや冷却シートを用意し、窓を開ける際に使う、蚊取り線香も必要になる。また、冷蔵庫は停電すると中身が溶けたり、冷やせなくなるので、開閉回数を減らし、傷みやすい物から先に食べていこう。卵はゆで卵にするなど、調理した方が保存の効くものはカセットコンロを用意し、加熱調理をしておくとよい。
マンションの場合、電気で送水をしていることが多いので、停電と同時に断水になる可能性が高い。その際は簡易トイレも必要だ。その他、情報を得るためのラジオ、携帯の電池式充電器も必須。乾電池は多めにストックしておこう。
【停電対策用備品一例】
●うちわや冷却シート(熱中症対策)
●蚊取り線香
●カセットコンロ
●簡易トイレ
●ラジオ
●電池式充電器
●乾電池
「大切なのは未来を予想する想像力をもつことです」
“明かり”がないと、人の心は暗くなるもの。いざという時、パニックにならないよう、備蓄品の準備とシミュレーションは行っておきたい。
※女性セブン2017年8月24・31日号