介護予防教室に人が集まらないのはなぜ? 65歳以上の66%が「参加したくない」と答えた本音【ルネサンスが意識調査】
日本の高齢化が進むなかで、いま注目されているのが「介護予防」だ。要介護の状態になるのをできるだけ防ぎ、いつまでも元気に暮らすための取り組みは、社会全体にとっても、私たち一人ひとりにとっても欠かせないテーマになっている。
しかし、各地の自治体が頭を悩ませているのが「参加者をどう集めるか」という問題だ。特に元気なシニアや、これまで関心のなかった層へのアプローチは難しく、いつも同じメンバーばかりになってしまうという声も少なくない。そんななか、フィットネスクラブなどを運営するルネサンスが、65歳以上の500人を対象に「介護予防に関する本音」を尋ねるアンケート調査を実施した。
6割以上が「気乗りしない」その理由は「まだ自分には必要ない」
調査の中で「これから介護予防の教室などに参加したいか」と聞いたところ、「参加したいと思わない」「あまり参加したいとは思わない」と答えた人が合わせて66.0%に達した。国や自治体の熱い想いとは裏腹に、当事者であるシニア層の意識との間には、かなりの温度差があることが浮き彫りになっている。
では、なぜ参加したくないのだろうか。その理由(複数回答)で最も多かったのは、「今のところ自分には必要ないと思う」(54.5%)だった。これに「楽しそうなイメージがない」(19.7%)、「知らない人ばかりで不安」(18.5%)、「高齢者向けでまだ早い」(14.2%)といった声が続いている。
一方で、「手続きが面倒」「効果がなさそう」といった運営や内容への不満はごくわずかだった。この結果から、シニア世代が介護予防そのものを嫌がっているわけではなく、「自分向けのプログラムではない」「まだ自分には関係ない」と感じていることが見えてくる。
「高齢者が集まって体操する場所」というイメージが生む距離感
シニア層が抱いている介護予防教室のイメージ(複数回答)を見てみると、「高齢者が集まる場」(50.8%)、「体操する場」(49.0%)、「健康の話を聞く場」(41.0%)が上位を占めた。
こうした定番のイメージが定着しているからこそ、まだ元気なシニアほど「自分はあそこまで衰えていない」と一歩引いてしまうのかもしれない。これから参加者を増やすためには、ただ「教室がありますよ」と知らせるだけでなく、「行ってみたい」と思わせるような新しいイメージ作りや、参加したくなるきっかけのデザインが求められそうだ。
「自分ごと」にしてもらうために、これからの教室に求められる工夫
今回の調査から、介護予防事業が抱える本当の課題は、シニア層が「必要性を感じていない」という点にあることがはっきりした。これからの自治体に必要なのは、健康意識の高い人たちだけに向けたアプローチではなく、「自分にはまだ早い」と思っている人の心を動かす仕掛けだ。
たとえば、気軽に見学や体験ができる工夫を凝らしたり、民間企業のアイデアを取り入れて「ワクワクする楽しさ」をプラスしたり。シニアが自然と足を運びたくなるような、誘い方やプログラム自体の見直しが、これからの介護予防の鍵を握っていると言えそうだ。
【データ】
2026年最新|介護予防事業への参加意向に関する調査レポート
【調査概要】
調査テーマ:2026年最新 介護予防に参加しない理由とは?500人の調査から見えた課題と対策
調査対象・方法:全国の65歳以上の地域住民500名(Webアンケート)
調査期間:2026年2月27日~2026年2月27日
実施機関:株式会社ルネサンス
株式会社ルネサンスhttps://www.s-renaissance.co.jp/の発表したプレスリリース(2026年6月10日)を元に記事を作成。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000256.000012000.html
図表/株式会社ルネサンス提供 文/介護ポストセブン編集部
