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健康

「白湯を飲む習慣は健康にいい」「高いお酒は酔いにくい」は本当か? 米国の老年医学の医師が最新研究を元に解説

「白湯は体にいい」「高いお酒は酔いにくい」といった健康の定説がある。しかし最新医学では、それらが根拠のない「思い込み」であることも珍しくない。マウントサイナイ医科大学の老年医学・緩和医療科の医師・山田悠史さんの著書『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』(サンクチュアリ出版)では、最新論文をもとに「本当に正しいのはどちらか」が解説されている。同書から、「食事」をテーマに一部抜粋して紹介する。

* * *

白湯を飲む習慣は健康にいい?

 朝、白湯を飲むと心が落ち着き、健康に良さそうに感じます。美容のために習慣にしている方も多いですが、実は「白湯ならではの特別な効能」は、今のところ医学的な裏付けはありません。

 水分補給そのものは極めて重要ですが、水の温度が健康効果を左右するという明確な根拠はないのです。温かいお湯を飲むと胃腸が休まる感覚やリラックス効果は得られますが、それが長期的な健康維持に直結するというデータもありません。逆に、冷たい水のほうが心臓への負担を和らげる可能性を示唆する研究も存在します。

 ですから、白湯を特別な健康法と捉えすぎず、あくまで「心地よい水分補給の選択肢の一つ」と考えるのがよいでしょう。冷水でも常温でも、自分が最もおいしく続けやすいと感じる方法で、こまめに水分を摂ることを何より大切にしてください。

高いお酒は同じ量でも酔いにくいって本当?

 「高いお酒は酔いにくい」という説を耳にすることがありますが、実はこれに科学的な根拠は全くありません。酔いの度合いを決めるのは価格ではなく、摂取した純アルコールの「総量」だからです。他にも、飲む速さや空腹の状態、アルコール度数といった要因が酔いやすさに大きく関係します。

 安いお酒は安価に多量のアルコールを摂取しやすいため、結果的に酔いやすい傾向はあります。しかし、同じ量のアルコールを同じペースで飲めば、高級ワインも手頃なお酒も酔い方は基本的に同じです。「悪酔いしにくい」という話も医学的な根拠はなく、結局は飲み方が影響します。

 高価なお酒は添加物が少ない等の特徴はありますが、正規の製品なら健康リスクに本質的な差はありません。「高いと酔わない」と感じるのは、高価ゆえに大切に味わって飲んでいるからかもしれません。価格に関わらず、適量を守って楽しみましょう。

快眠のために避けるべきなのは、「カフェイン」と「アルコール」ならどっち?

 リラックスタイムの1杯として、コーヒーとお酒のどちらを選ぶべきでしょうか。どちらも快眠を妨げることが知られていますが、科学的な根拠に基づくと「お酒」の方をより避けるべきだと言えます。

 お酒は飲むと眠気を誘うため一見良さそうですが、実は少量でも睡眠を細切れにし、眠りを浅くしてしまいます。夜中に目が覚める回数を増やし、睡眠の質を根底から損なう、いわば「睡眠の破壊者」とも言える存在なのです。一方、カフェインの影響は主に「寝つきの悪さ」ですが、これは飲む時間帯を工夫し、夕方以降に控えることで最小限に抑えられます。

 実際、両者を比較した研究では、睡眠の量や質を数値化した「睡眠指標」が、お酒では悪化したのに対し、カフェインとの関連は見られなかったという報告もあります。もちろん個人差はありますが、多くの方にとって真に注意すべきはお酒です。ぐっすり眠りたい夜は、カフェインレスのハーブティーなどを選ぶのが賢明な選択でしょう。

栄養補給のタイミングは筋トレの前後でどちらがいい?

 筋トレの効果を最大化する栄養補給について、以前から「トレーニング後」が定説とされてきました。特に運動終了後30分以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれます。この間に20~40gの高品質なタンパク質と炭水化物を摂ることで、筋肉の修復が促され、効率的な体づくりに繋がると多くの専門機関が推奨しています。

 一方で、近年の研究では「タイミング以上に、1日の総タンパク質摂取量の方が重要だ」という見方が強まっています。1日を通じたトータルの摂取量さえ確保されていれば、摂取タイミングの差が筋肉に与える影響に大きな差はないことが分かってきました。

 まずは1日全体の栄養バランスを整えることを基本にしましょう。その上で、プロのように極めてハードなトレーニングを行っている方であれば、筋肉の回復をより早めるために「ゴールデンタイム」を意識した補給を試してみるのが良いでしょう。

◆老年医学・緩和医療科医師・山田悠史

やまだ・ゆうじ/1983年4月2日、岐阜県生まれ。2008年、慶應義塾大学医学部卒業。日本各地の病院の総合診療科で勤務後、2015年に渡米。現在は高齢者医療を専門に診療や研究に従事。NPO法人FLATの代表理事として、在米日本人の健康を支援する活動にも力を入れている。AIと医療をつなぐ合同会社Ishifyの共同代表。マウントサイナイ医科大学老年医学・緩和医療科医師。米国老年医学・内科専門医、医学博士。近著は『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』(サンクチュアリ出版)。

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