食が細くなってきたら…栄養バランスを考えて「コンビニで主食・おかずを選ぶコツ」と「外食する時の4つのポイント」
忙しくて料理ができない日も、なるべく健康的な食事を選びたいもの。歳を重ねて食事量が減ってきたと感じる人はなおさら、1食の栄養素をおろそかにしないことが健康に過ごすために重要だ。そこで、『食が細くなってきたら! 少食でもちゃんと栄養がとれる食べ方』(アスコム)の著者で料理研究家・管理栄養士の関口絢子さんが教える、コンビニご飯の選び方と外食のコツを参考にしよう。
教えてくれた人
関口絢子さん/管理栄養士
川村学園短期大学食物学科卒業。「食とアンチエイジング」の関係が注目されていなかった20年以上前から、インナービューティースペシャリストとして情報を発信し続け、健康・美容・ダイエットに関するレシピや栄養情報を提供。2020年に開設したYouTubeチャンネル「管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン」は登録者数60万人超え。米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー、日本抗加齢医学会認定抗加齢指導士の資格ももつ。
コンビニご飯で炭水化物・たんぱく質・脂質の”栄養トリオ”
コンビニ食を買うときは、栄養成分表示を見て、炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスや食塩相当量をチェックし、栄養のバランスを意識しよう。また、カフェインやタンニンは栄養吸収を妨げることがあるため、飲み物は麦茶やルイボスティー、または水などを選ぶのがよい。
「コンビニで食事を選ぶ際は『手軽にとれるたんぱく質』『野菜・きのこ・海藻』『消化のよい炭水化物 (エネルギー源)』の3つをバランスよく組み合わせるのがポイントです」(関口さん・以下同)
そこで、コンビニで食事を購入する際の、おすすめの組み合わせをテーマごとに紹介していく。
腸活も意識! 「発酵パワーで元気チャージ」トリオ
・メインおかず…ゆで卵、またはサラダチキン(ハーフサイズ)
・サブおかず…めかぶ、またはもずく酢
・主食…おにぎり(鮭や梅)
「メインおかずは、良質なたんぱく質を手軽に補給できるもの。サブおかずのめかぶやもずく酢は、水溶性食物繊維で腸内環境を整えてくれるうえ、酸味で食が進みやすくなります」
おにぎりは、マヨ和えや揚げた具ではなくシンプルなものを選ぶこと。
疲れた体に染み渡る「ほっこりあったか」トリオ
・メインおかず…茶碗蒸し、または豆腐
・サブおかず…カップ味噌汁(具材たっぷりタイプ)
・主食…おかゆ、または小ぶりのおにぎり
「メインおかずの茶碗蒸しや豆腐は、喉越しがよいのでお疲れの日にもおすすめのたんぱく源です。サブおかずには、胃腸にやさしくリラックス効果もある温かい汁物を。ねぎやわかめなど具材が多いほど高栄養です」
消化しやすいおかゆや小さめのおにぎりを主食にすることで、胃腸に負担をかけずにエネルギー補給できる。
パワーをつけたいときに! 「しっかり栄養補給」トリオ
・メインおかず…さばの塩焼き、または焼き鳥(塩味、2本程度)
・サブおかず…野菜サラダ(ドレッシング付き)、またはひじき煮
・主食…おにぎり、またはサンドイッチ(ツナや卵)
「活動量が多い日のメインおかずには、魚のDHA・EPAをとれるさばや、たんぱく質豊富な焼き鳥を。サブおかずはビタミン・ミネラル・食物繊維をとれるもの。主食はおにぎりや、シンプルな具材のサンドイッチを選びましょう」
少食でも栄養をしっかりとる外食の選び方
自炊できるときには栄養バランスに気をつけていても、会食など自分で量を調整しにくい外食の場合は思うようにいかないこともある。
関口さんによると、外食でメニューを選ぶときは「たんぱく質を最優先する」「野菜を積極的に補う」 「消化しやすい調理法を選ぶ」「主食・主菜・副菜を意識する」の4つがポイントだ。
「まず、体の材料となるたんぱく質は、何より優先したい栄養素。肉、魚、卵、大豆製品などが入っているかどうかをチェックしましょう。外食で不足しがちな野菜は、サイドメニューや追加トッピングで補います。 また、蒸し料理・煮込み料理・和え物といった消化吸収しやすい調理法で作られていることも、少食さんには大切なポイントです。加えて、主食・主菜(メインおかず)・副菜 (サブおかず)が揃うように意識すると、栄養バランスがぐっと整います」
和食レストラン・定食屋・寿司店の場合
あらかじめ「ご飯少なめ」で注文しておき、主菜のたんぱく質と、野菜などの副菜を優先して食べきれるようにする。寿司の場合は、シャリを小さく握ってもらうようにお願いして量を調整する。
「おすすめのメニューは、魚料理の定食です。 焼き魚や煮魚定食を選べば、良質なたんぱく質がとれるうえ、ご飯・汁物・副菜もついて栄養バランスが整います。海藻類や野菜が不足しそうなときは、ひじき煮やおひたしなどの小鉢を追加して補ってください」
イタリアン・フレンチレストランの場合
パスタをハーフサイズにするなど、量の調整ができるかをまず尋ねてみるといいだろう。また、食前のパンでお腹を満たしてしまわないように注意しよう。メイン料理では、消化に時間がかかりやすい、脂質が多い肉は避けた方がよい。
「栄養バランスを整えるには、『前菜で野菜を確保する』『メインは魚か鶏肉にする』『具材豊富な主食を選ぶ』ことを意識しましょう。たとえば、前菜にはサラダやカプレーゼ、メインには魚のグリルや鶏肉のソテー、主食には魚介や野菜のパスタ・リゾットなどを選びます」
