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「市販の介護食品」についての利用実態調査を実施! 毎日利用している人は、利用者全体の4割。食べる人の安全性に配慮して商品選びをしている傾向|介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン

 

 介護やケアが必要な家族がいる家庭にとって、「食事」の準備はその家族の健康に直接関わることでありながら、配慮が必要だったり手間がかかったりして、負担を感じる場合もあるだろう。仕事や介護、普段の家事など、日々時間に追われるなか、市販の介護食品はどのように活用されているのだろうか。今回の調査では、主に「現在、介護やケアが必要な家族がいて、かつ、その家族に対し、市販の介護食品を使用している人」に、その利用頻度や使用状況、購入場所や利用理由、また介護食品に希望することなどについて調査を実施。また、未だ市販の介護食品の利用経験のない人に対しても、介護食品への意識調査を行った。

■アンケート概要
調査主体:介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:『介護ポストセブン』会員組織『介護のなかま』登録者
調査期間:2024年12月27日~2025年1月17日
有効回答者数:4,443名【うち分析対象は「現在、介護やケアが必要な家族がいて、かつ、その家族に対し、市販の介護食品を使用している」664名。一部、4,443名を分析対象としている質問もある】

●「市販の介護食品」についての実態調査結果一部抜粋

市販の介護食品の利用頻度

1:毎日利用している人が約4割、週に1~3回利用している人も4割

「介護やケアが必要なご家族に対し、市販の介護食品を利用する頻度を教えてください」という質問に対する回答は、「基本的に毎食」が14.16%、「1日に1回程度」が27.11%で、約4割の人が毎日1食以上は市販の介護食品を利用しているという結果になった。(図1)。

 続いて「週に2〜3回程度」31.33%、「週に1回程度」10.99%となった。「毎日」利用したい人と、「週に1~3回程度」利用できればよい人に、おおよそ半々(4割ずつ)で分かれている。

どのような状況で介護食品は使用されているのか

1:調理に手間をかけられないときに使用する人が多数

「どのような状況で市販の介護食品を使用していますか?」という質問では、「調理の時間がないとき」61.75%、「調理が大変なとき」53.46%と、調理に関連した回答が多くなった(図2)。次に「メニューの品数を増やしたいとき」39.76%、「おやつなどで栄養の補助として使用したいとき」30.42%という回答が続く。「調理」の手間の軽減だけではない、別のニーズとして介護食を利用していることがわかる結果となった。

使用する「理由」と「使用する際の心境」

1:使用理由は、「調理の負担軽減」と「食べる人に配慮した安全性と栄養面」

「市販の介護食品を使っている理由を教えてください」という質問では、「調理の効率(手間や時間)の改善のため」が56.63%と最多だった。これは、前問の使用状況でも「調理の時間がない/調理が大変」が上位であったことから想像できる結果だ。

 他に、「嚥下や噛みやすさに考慮されているから」(53.01%)、「栄養バランスや減塩など栄養面に魅力を感じるから」(43.98%)という回答が続き、多くの人が食べる人の状態や体調へ配慮して商品選択を行っていることがわかる(図3-左)。

2:使用する際の心境は、「便利」と「安心」がキーワード

「市販の介護食品を使う際の心境を教えてください」という質問では、「便利で助かる」が67.17%、「調理する手間が軽減できてよい」が62.20%となった(図3-右)。続いて「栄養面で安心」38.70%、「噛みやすさ、飲み込みやすさが配慮されていて安心」38.40%となり、介護食品は、便利さのみならず、介護する人が抱える食事の不安の払拭に役だっていることが窺える。 

***

 本調査では、他にも介護食品の「購入場所」や「その場所で購入する理由」、「介護食品を使う際の不満」「より使ってみたい介護食品」などの設問への答えや自由記述から、市販の介護食品の利用実態を浮き彫りにしている。

 また、嚥下のしやすさなど介護食品の区別表示「ユニバーサルデザインフード」や「スマイルケア食」の認知度についての調査も実施。現在、市販の介護食品を使用している人たちでも、約4割が「知らない」という結果となった。

本調査結果を通じて

 今回は「市販の介護食品」について調査した。利用頻度は、毎日1食以上の人が全体の4割いた。また、使用状況からは、手軽に準備と片付けができ、かつ栄養バランスに配慮され安全に食べられる食品が求められていることが見えてきた。

「食べること」は生きることに直結する。市販の介護食品が担う役割が単なる「食事」ではなく、介護する人・介護対象者にとって、生活に余裕や彩りをもたらすものとして期待されいる。多様化する生活形態や嗜好の中で、介護食品においても、選択肢をより増やすことはマーケット拡大のヒントになると考える。

構成・文/介護マーケティング研究所

本記事において掲載しているデータは調査の一部です。掲載していないデータや自由記述設問に寄せられたコメント詳細については、介護ポストセブンにお問い合わせください。
※お問い合わせの際は、企業・部署名をご明記ください。

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出典の記載についてのお願い】

調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:【「市販の介護食品」についての利用実態調査】(介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン)
https://kaigo-postseven.com/185288

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