高齢者のための正しい「口腔ケア」手順や注意ポイントを専門家が解説「口内は保湿が大切」
健康長寿には、最期まで自分の口で食べるための「口腔ケア」が欠かせない。高齢者がとくに注意すべき「口腔ケア」の必要性やポイントについて専門家に聞いた。これを機に、必要なアイテムや正しいやり方について、改めて見直してみよう。
高齢者はとくに大切な「口腔ケア」とは?
「口腔ケア」とは、口の中を清掃したり、話す・食べるなどの口の機能を維持・サポートをしたりするためのケアのこと。
「高齢者のかたにとって食べることは、健康な体を維持するために大切なこと。食事からしっかり栄養を摂るためにも口腔ケアは欠かせません。可能な限り人生の最期まで口から食べるために、非常に重要なのが口腔ケアなんです」
こう語るのは、在宅介護の現場で口腔ケアなどの支援・指導を行っている訪問看護師の飯塚千晶さんだ。
高齢者が快適に食事をするための研究活動も行う飯塚さんは、口腔ケアの必要性について続ける。
「口腔ケアを怠ると、口内の細菌により歯質が溶けてしまう“う蝕”や歯肉炎など起こし、口腔内環境が悪化します。口の中の健康状態が悪化すると、歯に悪影響というだけでなく、誤嚥性肺炎のリスクも高まります」(飯塚さん、以下同)
歯磨きをはじめとした口腔ケアは、毎日のことなので億劫になってしまったり、自己流でケアしていたり、やり方が間違っていることもあるという。
まずは、以下のチェックリストで、普段の口腔ケアのやり方が間違っていないか確認してみよう。
こんな症状があったら口腔ケアをいますぐ見直そう!
□ 口の中に傷や炎症が起きている
□ 口臭が気になる
□ 歯磨きのとき歯肉から出血することがある
□ 食事中にむせやすくなった
□ 食べ物や飲み物が飲み込みにくくなった
□ 入れ歯が合わなくなってきた
□ 口が乾きやすくなった
上記のどれかひとつでも当てはまる場合は、口腔ケアのやり方が間違っている可能性もあるという。
「しっかりと口腔ケアをするためには、必要なアイテムがあります。また、ケアの方法は自己流でやっていることや、習慣化していることも多いので、改めて歯磨きの一連の見直をしてみてください」