「グレイヘア」で人生一変! 近藤サトの抗わない生き方【インタビュー】
新語・流行語大賞にノミネートされたように街でグレイヘアの女性を目にする機会が増えた。グレイヘアにした彼女たちの表情は生き生きとして、輝いている。そんなグレイヘアを楽しむひとりが元フジテレビアナウンサー近藤サト。50才を前に、彼女がグレイヘアを選択した理由とは―
すっかり“グレイヘアの代名詞”として、メディアに引っ張りだこの近藤。しかし、本人は“先駆者”という意識は全くないという。
「私がグレイヘアをオープンにする前から、関連書籍も売れていましたし、なんとなくブームは来ていたと思うんです。元フジテレビアナウンサーで、テレビに出ていたので、40代でグレイヘアにしたことに、皆さんが驚かれたのかな…と。久しぶりに姿を見たなと思ったら、髪が真っ白になっていたらビックリしますよね(笑い)。私が先駆けではないけれど、テレビの影響力は大きいな…と実感しました」
グレイヘアにした大きなきっかけは、’11年の東日本大震災だったという。
「もともとアレルギーがあって、皮膚トラブルを考えると髪を染めたくないと思っていたんです。震災が起きたときに、防災グッズに白髪染めを入れようとして、なんて自分は器の小さな人間なんだろう…と。髪を染めなくちゃと追われている自分は、若さという表面的なことに抗っているのではないか。それは自分にとって無理のある価値観だから、抗うのはやめよう…と思ったんです」
グレイヘアにして 自由になった
グレイヘアにしたことで、精神的にも「すごく自由になった」と軽やかに笑う。撮影にも私服で現れたが、ファッションにも変化があったそうだ。
「若い頃は高級ブランド物が好きだった時期もありましたけど、今はシンプルな服装が多くなりました。それをカッコよく着られたらいいな…と。お買い物はアウトレットが大好き! 夫も好きなので、暇さえあれば御殿場のアウトレットによく行っています。今日も、全部アウトレットで買ったコーデですね(笑い)」
グレイヘアは新語・流行語大賞にもノミネートされたほどブームとなっているが、本当に世間に理解されるには、「まだ時間が必要かな…」と感じているという。
「グレイヘアにしたことで女を捨てたつもりはないけど、そういうふうに見られる感覚はあります。“サトさんは女性として1抜けたのね”と。まだ、世間のマインド的には“グレイヘア=シニアをいち早く宣言した人”みたいなイメージなのかなと思います。全然そんなつもりはないんですけどね(笑い)。グレイヘアにするか、しないかは選択の自由。一生、髪を染める人がいてもいいし、70才になってから染めようでも、それぞれの価値観でいいと思うんです。グレイヘアがブームになるのもいいと思いますけど、私はファッションでやっているわけではなく、生き方の1つ、スタイルの1つとして選択しているので。皆さんに啓蒙するつもりはまったくないんです(笑い)」
撮影/尾形正茂(SHERPA)
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