質のいい睡眠のために“睡眠負債と疲労蓄積”5つのチェック「布団に入って5分以内に寝付くのは要注意」 【医師監修】
「朝、スッキリ目覚められるのが質のよい睡眠」と語るのは、『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)などテレビでも活躍している東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さん。あなたは毎朝どうですか? まずは「睡眠負債&疲労蓄積チェック」で今の自分の状態を確認しよう。
1.睡眠は寝始めの3時間が特に大切
東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは、
「睡眠は、脳にたまった老廃物を洗い流すなど、日中のダメージを回復させるもの。特に重要なのが入眠からの3時間。脳の活動量を落とし、同時に成長ホルモンが最も多く分泌されるので、回復も促進されます」(梶本さん・以下同)
毎朝疲れが取れていると感じていますか? まずは自分の睡眠に問題があるかないか、チェックしていきましょう。
あなたは大丈夫? 睡眠負債&疲労蓄積チェック
□ 布団から出たときから体がだるい
□ 電車に乗ると次の駅に着くまでに眠ってしまう
□ 夜、布団に入ると5分以内に寝つくことが多い
□ 起床してから4時間後に眠気やだるさがある
□ 休みの日は平日より2時間以上長く眠ってしまう
「朝、スッキリ目覚められるのがよい睡眠です。上記の項目は、きちんと睡眠がとれておらず、疲労がたまってきている際にみられる兆候。1個でも当てはまると黄信号です。当てはまる数が多いほど、睡眠の質が悪化している可能性が高いので、寝る環境や睡眠スタイルを見直しましょう」
少しでもよりよい睡眠時間になるよう、梶本さんにアドバイスをいただきました。
2.女性のいびきは脳が酸欠状態のサイン
「女性は肺活量が少なく、貧血と低血圧の人が多いので、いびきをかくと、脳が酸欠状態に陥りやすい。酸欠になると本来休まなければならない自律神経を働かせることになり、結果、睡眠不足、慢性疲労を招きます。いびきを防ぐには横向きに寝るのがおすすめです」
3.寝汗をかくほど体を温めるのは危険!
「寝汗をかくということは、睡眠中に自律神経が働いている証。それでは、睡眠の質が下がり、疲れがとれません。布団の中の温度は33℃が理想。部屋を適度に温めつつ、寝る直前まで布団乾燥機や湯たんぽなどで“布団を温める”のがおすすめです」
4.入浴のタイミングは寝る1時間前がベスト
湯につかると脳や内臓の温度が上昇。その後、脳の温度が下がり始めるときに眠くなる。
「入浴は寝る1時間前が理想です。冬だろうと40℃以下のぬるめの湯に入り、長湯はしないこと。のぼせると脳の温度が上がり、睡眠の質が落ちるからです」。
5.睡眠は量より質! 時間にこだわりすぎない
「睡眠時間は最低でも5時間はほしいですが、量より質が重要で、睡眠時間が長くても睡眠の質が悪ければ意味がありません。何時間寝たかにこだわらず、睡眠の質を上げることを意識した方が、寝つきもよくなり、朝スッキリと目覚められるようになります」
教えてくれた人
梶本修身さん/東京疲労・睡眠クリニック院長
『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)などの番組で睡眠の専門家として活躍。著書『すべての疲労は脳が原因Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(集英社)は、シリーズ累計18万部超のベストセラーに。
取材・文/佐々木めぐみ、鳥居優美
※女性セブン2022年1月20・27日号
https://josei7.com/
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