猫をニャンとも可愛く撮る極意を話題の猫写真家・沖昌之さんが伝授!
ペットを迎え入れる家庭は年々増え、コロナ禍でさらに急増。SNSでも愛猫&愛犬の写真は大人気!うちのニャンコももっともっとかわいく撮ってあげたいのに、いつもちょっと微妙な仕上がりに…。そこで「必死すぎるネコ」「残念すぎるネコ」で話題の写真家・沖昌之さんに決定的瞬間を見逃さない秘伝のワザを教えてもらった。
猫写真家・沖昌之さん「猫の日常に溶け込もう」
まるで人間のような必死すぎる猫の姿に思わず、ププッと笑みがこぼれる。猫写真家・沖昌之さんの写真は「どうしたらこんな瞬間を撮れるの!?」と思わずにはいられない決定的瞬間に溢れている。一体どのように撮影をしているのか、沖さんに聞いた。
「ぼくは身長も180cmと大きくて、決して猫に好かれるタイプではありません。息を潜めて撮影しても、彼らは気配を感じてピューッと逃げていく。あるとき、毎日同じ時間に自転車でギューンと走るおばさんが来ても、猫たちが逃げないことに気づきました。そうか、彼らにとってこれが日常なんだと。
それから、ぼくが彼らの日常に溶け込んで、彼らを観察することから始めました。そのうちに、この子はリアクションが大きくて何かおもしろい動きをしそうだなとか、この子たちは仲よしでいつも一緒にいるなとか、猫たちの性格が段々わかるようになったんです」
何度も通い続けるうちに、沖さんの想像をはるかに超えた予測不能な動きを猫たちは垣間見せるようになる。
「ぼくはその瞬間を逃さずカメラに収めているだけ。猫の動きってこちらでコントロールできないから面白い。一方通行な片思いに近いから、夢中になってしまうのかもしれません。“おもしろすぎるやん!”と思わずひとり言をつぶやきながら、必死でシャッターを切っています(笑い)」
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猫の撮影に必要な【3】つの極意
「ぜひ一度、じっくり愛猫を観察してみてください。実はこんな所で遊んでいたとか、こんな動きが得意だったとか、普段気づかない表情にきっと出会えるはずです」
【1】愛すべき瞬間を見逃すな!
ふとした瞬間にまるで人間のような仕草をする猫たち。「観察していると、予想もしない奇跡の瞬間に出会えることも。距離が遠い場合は望遠レンズで撮影すると見逃しません」。
「大好きすぎて“もう離したくない!”って声が聞こえてきそうな1枚」
「大きなオス猫に勇気を出して挨拶をしている子猫。ふたりの表情にグッときました」
「手をかけて慰めているように見える。哀愁漂う後ろ姿のトボトボ歩く猫たち」
【2】その子の特性を見抜こう!
猫の性格も十猫十色。じっくり観察しているとそれぞれの個性が見えてくるそう。「オーバーリアクションをする子は面白い動きをしてくれます」。
「テンションが上がりすぎるとゴロンゴロンと荒ぶる性格(笑い)。我を忘れて階段から転がり落ちました」
【3】旅先での出会いも忘れられない1枚に
「旅先で出会った猫たちは、長い時間をかけて撮影するのが難しいですが、滞在中に何度も通って仲よくなることも。旅先の風景と相まって、忘れられない1枚になります」
「香川県の猫島として有名な佐柳(きなぎ)島で出会った猫。桜をバックにズンズンとこちらに進んできました。しっぽがピン!と立っているのもかわいい」
「トルコで撮影した『NyAERA(ニャエラ) みっけ』(朝日新聞出版)の表紙の写真。イズミル地区のホテルに住みついている猫と仲よくなり、ビーチでゴロンとした瞬間をとらえた奇跡のショット!」
「漁師さんからもらった朝ごはんの魚を落とさないように必死の形相でくわえています」
人生を変えた“ぶさにゃん先輩”
2013年の大晦日に初めて出会い、沖さんの人生を変えた運命の猫「ぶさにゃん先輩。」。それまでは美猫が好きだったという沖さんだが、ぶさかわいい魅力にハマってしまったそう。
教えてくれた人
沖昌之さん/猫写真家
アパレルを経て、偶然出会った初恋の猫「ぶさにゃん先輩。」の導きにより、2015年より猫写真家として独立。写真集『必死すぎるネコ』(辰巳出版)、『残念すぎるネコ』(大和書房)で注目を集め、猫写真界の異端児として大人気に。Instagram@okirakuoki
撮影/沖昌之
※女性セブン2021年4月15日号
https://josei7.com/
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