兄がボケました~若年性認知症の家族の暮らし【第88回 新しい先生】
ずっと主治医だった医師が別の病院へ移ってしまい、担当医が変更になった若年性認知症の兄。今回は、新しい主治医との初めての診察の話だ。兄の通院に付き添ったツガエマナミコさんは、その日の心中を明かしてくれた。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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「この先生とはうまくやっていく自信がない」
「こんにちは。はじめまして、新しく担当になりました財前四郎(仮名)です」
5年間お世話になった先生が病院を去り、先日、新たな担当医との初対面を果たしてまいりました。以前の先生よりも確実に若い、30代と思しき先生で、背筋をピンと伸ばし、キリリとしたメガネ男子然としてパソコンに向き合っていらっしゃいました。
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「ツガエさんですね。宜しくお願いします。付き添いの方は…」
「妹のツガエです」
「え~っと、最近はどんな感じですか?」
と、確かそんな始まりだったと思います。