兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第30回 やっと来ました失業手当!】
ライターのツガエマナミコさんは。若年性認知症を患う兄と2人暮らしだ。病気がわかってからも続けてきた会社勤めに、ついに終止符をうった兄だったが、退職金、障害年金などはもらえないことが判明。頼みの綱は失業手当と、兄に付き添いハローワーク通いを続けた結果…。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

ハイスピードな入金に感激
失業手当をいただくには、就職する意思があることを具体的な行動で示さなければなりません。それが最低月2回の求職活動でございます。一般的には、求人への応募、ハローワークや民間機関への職業相談、公的機関主催のセミナー受講などでありまして、兄もそれをしないといけないとなると、わたくしもそれに同行しなければならないということで、「最悪だ」と思っていたのです。
「求職活動はどうしたらいいのでしょうか?」というわたくしの質問に、職員の答えはこうでした。「それは、一般の方のお話で、お兄さんの場合は月1回でいいんです。認定日にここへ来ていただけば、それが職業相談1回となりますから、とにかく認定日には必ずここに来てください。それで大丈夫です」
それを聞いてどーっと肩の荷が下りました。でも要は「積極的にしなくてもいい、したところで見つからないから」という意味に思えて、やはり仕事は無理なんだろうと、諦めムードも