ビタミンDがすごい!骨粗しょう症、うつ病、糖尿病の対策にも
最近の研究では、抗菌ペプチドの生成に、ビタミンDが重要な役割を果たしていることがわかってきた。
抗菌ペプチドというのは、皮膚、気道、腸管などの粘膜にある天然の抗菌物質で、細菌やウイルス感染から体を守る働きをしている。そのため、この生成に重要な役割を果たしているビタミンDは、風邪やインフルエンザの予防効果が期待できるという。
東京慈恵医科大学の実験では、ビタミンDのサプリメント服用で、インフルエンザの発症率が半分近くに下ったという報告もある。
腸管の粘膜を丈夫にし体調を整える
ビタミンDは、腸粘膜を丈夫にするので、不足すると、小腸粘膜の細胞と細胞の結合がゆるみ、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)を引き起こすことがある。
慢性的なストレスや生成された糖質などの摂取、または、咀嚼不足や食べすぎ、低胃酸による消化不足、栄養素不足などが原因で、腸粘膜が損傷を受けると、透過性の大きい腸、つまり漏れやすい腸になってしまうというのだ。
その結果、本来通過しないはずの菌などが血液中に漏れ、精神症状やアレルギー症状、便秘、片頭痛などの症状が出たり、大切な栄養や薬の吸収が低下する原因にもなる。
ビタミンDの充足は、器官としての腸や腸内フローラを整えることが期待されているため、腸内環境の悪化によって起こるこれらの不調の改善にも効果がある。
他にも、ビタミンDはリンパ球など、免疫細胞のバランスを整える作用もある。これが崩れると、異常な免疫反応を起こして花粉症やアトピー性皮膚炎、ぜんそく、リウマチなどを引き起こすため、ビタミンDの充足は、アレルギー症状の予防・改善にも期待されている。