朝のジョギングや減塩…体にいいはずの健康法が実は非常識!?
「長生きしたい」「健康になりたい」「やせたい」――その願望を叶えるため、人はいろいろな健康法に取り組む。しかし、それまで体にいいとされていた「常識」が、実は「非常識」という場合も。常識破りな健康法を紹介します。
「油っこいもの」はダイエットに効果的
多くの人は「油っこいものを食べると太りやすい」と思っているようだが、沖縄徳洲会・こくらクリニック院長の渡辺信幸さんは「それは誤解です」と断言する。
「太るいちばんの原因は白米やパンなどの糖質で、油っこいものを食べてもまったく問題ありません。むしろ肉の脂身もしっかり食べることで体の代謝が上昇し、脂肪燃焼の働きもよくなるので、太りにくい体質になります」
さらに、油分、脂質をしっかり摂ることは便秘解消にもつながるという。
「便秘解消のために食物繊維が豊富なごぼうやにんじんなどの根菜類を一生懸命食べる人は多いですが、人間は本来、食物繊維を消化する酵素を持っていないので、それだけでは便秘は改善されません。その解消法が実は油。吸収しきれなかった油は体外に排出されるため、それによって便秘が解消されるのです」(渡辺さん)
過度な「減塩」は死につながる
高血圧予防のために「塩分を控える」努力をしている人は少なくないはず。だが、共立女子大学食物栄養学科教授の上原誉志夫さんはまったく逆の指摘をする。
「たしかに日本人は昔から世界的に見ても血圧が高く、1965年が脳出血による死亡率のピークでした。しかし、国民全体で食事の減塩が進み、2015年には成人の平均塩分摂取量は1日約10gまで減りました。結果、血圧は世界平均より低くなり、脳出血も減少しました。
1014年にアメリカとカナダで行われた調査によれば、最も疾患が少ない食塩摂取量は10~12g。今の日本人がこれ以上減塩すると、心臓病の発生率が上がるなど、かえって死亡率が高まってしまう可能性があります」
大事なのは、減塩よりもカリウムを充分に摂ることだと上原さん。
「カリウムには腎臓から塩分を排出しやすくする性質があります。減塩のためにみそ汁を避ける人もいますが、みそにはカリウムが豊富に含まれている。野菜類や果物、いも類にもカリウムが多く、特にアボカドやほうれん草、バナナなどをしっかり食べることをおすすめします」
「生野菜」は女性の“天敵”だった
「生野菜は水分を多く含むため、たくさん食べると一時的に体温が下がり、むくみの原因になることがあります」
というのは前出・渡辺さんだ。ダイエットのためにサラダでお腹をいっぱいにするという人もいるが、
「そうすると肉類などのたんぱく質が不足してしまう。結果、代謝が下がり、脂肪燃焼が充分にできなくなって、体が冷えやすくなり、かえって太りやすい体質になってしまう。たんぱく質と野菜を、油分で炒めるなどして食べるのが理想的です」(渡辺さん)