《特養・サ高住・有料老人ホーム》我が家に合うのはどれ? FPが教える「自立度・予算別」介護施設の選び方
介護施設にはさまざまな種類があり、本人の状況や希望によって合う施設は異なる。合わない施設に入居してしまうと、調子を崩してしまったり、費用の捻出に苦労してしまったりすることもある。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、介護施設の選び方について教えてもらった。
教えてくれた人
丸山晴美さん/節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー
22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。
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自立した生活を望むなら「住宅型有料老人ホーム」が選択肢
介護される本人が比較的元気で自立して生活できるものの、一人暮らしには不安がある場合には、「住宅型」の「有料老人ホーム」がおすすめです。有料老人ホームは民間事業者が運営し、高齢者の生活を支える機能を備えたもので、「介護付き」「住宅型」「健康型」の3タイプに分かれます。
「住宅型有料老人ホーム」は施設ごとに特徴が異なりますが、施設で提供されるサービスは介護保険適用外で、介護認定を受けていなくても入居可能です。介護サービスが必要な場合は、外部の事業者と契約してサービスを受ける必要がありますが、施設には食事や掃除といった生活支援などのサービスがあるほか、イベントも多くあるため、サポートを受けながらも自立して充実した老後を過ごしたい、といった方におすすめです。
比較的低額のところから高額のところまで、費用は施設によってさまざまなため、いろいろな施設を比較して選ぶといいでしょう。
介護サービスが必要になるまでは「健康型有料老人ホーム」も
介護サービスが一切不要な場合は、「健康型有料老人ホーム」もおすすめです。住宅型有料老人ホームと同様に生活支援サービスが提供されるうえ、アクティビティや設備なども充実しています。
ただし、施設内では介護サービスを受けることができないため、介護が必要になったら退去する必要があります。また、費用は豪華な共用設備(プール・ジムなど)や広い居室を備えている施設が多く、管理維持費が高くなるため、入居一時金が数千万円~数億円、月額費用も20万~40万円以上となるケースが一般的であり、高額である点にも注意が必要です。
サ高住も自由度が高い
いわゆるサ高住と呼ばれる、「サービス付き高齢者向け住宅」も自立して過ごしたい高齢者におすすめの施設です。サ高住には「介護型」と「一般型」があり、介護型は24時間体制で介護サービスが受けられますが、施設自体がごく少数であり、大半が一般型です。
一般型のサ高住はバリアフリーの賃貸住宅に近い施設で、外部で介護保険サービスが利用できるほか、安否確認や生活相談サービスがあり、一人暮らしの高齢者でも安心して生活することができます。基本的には自宅にいる感覚で生活でき、普通の賃貸住宅と同じように外出や外泊、来客なども自由ですが、賃貸住宅のため敷金が必要なほか、家賃も12~20万円程度と比較的高額なケースが多いです。
費用を優先して考えたい場合は?
介護施設は比較的高額な場合が多いですが、もちろん安価な施設もあります。施設に入居はしたいけれど、お金にはそこまで余裕がないという場合は、特養とも呼ばれる「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」や、「軽費老人ホーム(ケアハウス)」を選ぶのがおすすめです
特養は空き待ちだが安価なのがメリット
「介護老人福祉施設」は別名「特別養護老人ホーム」で、略して「特養」とも呼ばれます。介護保険が適用される公的施設の中では最も数が多く、安価で長期入居が可能なのが特長です。原則要介護3以上の人が入居対象で、日常生活上の支援や機能訓練、健康管理などのサービスが提供されます。入居一時金がかからず、月額利用料も8~15万円程度と、民間施設に比べると低コストですが、その分人気が高く、常に空き待ちというデメリットがあります。
軽費老人ホーム(ケアハウス)は所得による軽減制度もある
「軽費老人ホーム(ケアハウス)」は「一般型(自立型)」と「介護型」に分かれており、家庭環境や経済的な状況を理由に生活が困難な高齢者を対象とした施設です。一般型は60歳以上で自立~軽度の介護度の低い人が対象で、介護サービスを利用する場合は外部の事業者と契約して介護保険サービスを受けます。一方、介護型は65歳以上で原則要介護1以上(一部施設では要支援から可)の人が対象で、ケアプランに基づき施設のスタッフから身体介護サービスなどを受けられる「特定施設入居者生活介護」を利用することになります。
入居一時金は0~30万円程度、月額利用料は8~15万円程度が目安です。所得に応じた費用軽減制度(事務費の減免など)があり、介護付き有料老人ホームに比べて費用を安く抑えやすく、入居を検討する場合は事前に軽減制度を使えるか確認しておくとよいでしょう。
施設選びは早めがおすすめ
介護施設はさまざまなものがありますが、基本的に安価な施設は空き待ちであることも多く、入居したいときにすぐ入居できるとは限りません。また、施設ごとに費用や特徴も異なり、本人が気に入る施設を探すのにも時間がかかるため、早めに考え、調べ始めることをおすすめします。
取材・文/新藤まつり
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