猫が母になつきません 第465話「どうぶつびょういん」
さびの腰のあたりに小さなおできができました。毎日ブラッシングするのでかなり小さくても感触でかさぶたやおできにはすぐに気がつきます。気になるので動物病院に行くことに。引っ越してから動物病院に行くのは初めてなのでとりあえず近くの病院をネットで探すと、幸いうちから一番近い動物病院の評判がよかったので、そこに行ってみることにしました。これまでと同じようにさびを洗濯ネットにいれてからバッグへ。ひさしぶりだったのでさびも油断していて比較的スムーズに準備できました。
受付をすませ、初めての病院にすこし緊張して受診を待っていると、隣に座った70代とおぼしきマダムが話しかけてくれました。この病院にはずっと前から通われているそうで、連れているのは19歳のキジ白の女の子。目の病気だということでした。「私が歳をとれば、猫も歳をとる…仕方ないわよね」しんどさもありつつかわいさが勝る…お察しします。
さびは12歳。先輩猫の話を伺っておこうと「歯石はとってます?」とか「フードはどんなものを?」「キャットタワーはありますか?」などいろいろ質問してみましたが、ほぼほぼうちと同じだったので「目から鱗」みたいなことはないものの、それで長生きしているということが安心材料にはなりました。
受診の番がきて、診察台ではいつも観念して先生に協力的なさびは「いい子だねー」とほめられまくり、検査の結果おできは悪性のものではなさそうだけど一応ぬり薬をもらって様子をみることに。先生も看護師さんもびっくりするくらい優しくて、説明もすごく丁寧で、近頃多少の不満はあってもすべて我慢することに決めている私は、久々に訪れた不満のない優しい国に感動するというよりむしろ疑念を抱くほどで…こらこら、すさみすぎ。おでき以外は歯石とちょっとぽっちゃりを指摘されたさび。「去年と変わっていないならいいですよ」と先生はおっしゃっていましたが、すこーしづつフードを減らすステルス減量実施中です。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
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