《年を重ねても元気でいるカギは“肝臓”》肝機能が弱る原因はアルコールと脂肪肝 対策には青魚や魚介類を、サプリのとりすぎは注意
肝臓は体内で解毒を担うなど重要な役割を担っており、健康維持に大きく関わる臓器。肝臓を守るには、肝機能の低下に気づき、適切な対策をすることが必要だ。そこで、肝臓の機能が弱る原因や肝臓のためになる食べ物や習慣について、『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)の著者で内科医のドクターハッシーこと橋本将吉さんに教えてもらった。
教えてくれた人
橋本将吉(ドクターハッシー)さん/内科医
東京都出身。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「医学教育という専門領域から、日本と世界の明るい未来を創造する」という理念の元、リーフェホールディングス(旧リーフェ)を設立。医学生向けの個別指導塾『医学生道場 』(https://igakuseidojo.com/)の運営や、YouTuber『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』として健康情報の発信。2022年9月に健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』 (https://healthcare-academy.co.jp/)をリリース。2か月で300人を突破。
年をとっても元気でいるポイントは“肝臓”
老いても元気な人と、どんどん衰えていく人の差は、“解毒力”がポイントであると橋本さんは明言する。
「解毒力を担うひとつは肝臓。肝臓が弱ってきちんと機能しなくなると、食事などで入ってきた毒素や、体内で発生した毒素が体内に蓄積され、さまざまな健康問題が引き起こされるのです」(橋本さん・以下同)
肝臓は腸から送られてきた栄養を溜め込んだり、吸収しやすいように分解して各臓器に送る役目を担う重要な器官。アルコールや化学物質など、体内では毒とされるものは、肝臓で解毒処理がされて、胆汁という肝臓で生成される液体とともに、胆のうという臓器に運ばれ、そして腸へと戻され、便と一緒に排泄される仕組みだ。
肝臓の機能が弱ると、この仕組みがうまく働かなくなり、体に悪い影響が引き起こされる。
肝機能が弱る原因と健康診断のチェック方法
肝臓の機能が弱る原因は、肝臓の使いすぎによって起こる肝疲労と、肝臓の中性脂肪が挙げられると橋本さんは話す。
「強い毒であるアルコールを解毒するために、肝臓は懸命に働く必要があるので、肝疲労は特にお酒を飲む習慣がある人に多く見られる症状です。また、肝臓に中性脂肪が増えることも、肝臓の機能が弱る原因となります」
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれ、痛みを感じる神経がなく、自覚症状が出にくい。肝臓の機能が著しく低下した場合は、全身の皮膚や白目が黄色くなる黄疸が表れ、そのときには肝硬変や肝がんなど重篤な状態が見つかることも少なくないという。
肝臓の機能低下を知るには、健康診断で肝臓の状態をチェックすることが大切。診断表のAST(GOT)、ALT(GPT)と書いてある数値が、肝臓の状態を表している。どちらも30以上の場合は注意が必要だ。