猫が母になつきません 第423話「ねこいり」
ついに猫入(ねこいり)の日がやってきました。その日は母の命日でした。(猫入:421話「まだまだ」参照)
なにか特別なことをするでもなく普段と同じように過ごしていましたが、1年経ったのだということを何度も思わずにはいられませんでした。今の私は置き去りにされたような、宙ぶらりんなような、拠り所ない感じです。
この1年、私はずっと母との生活を反芻しながら生きていました。たぶんまだそれは続くのでしょう。
さびは二人の生活をずっと見てくれていた唯一の存在です。
母の命日に一緒に寝てくれたさび…あたたかくてうれしいのに涙がこぼれました。
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作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
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