兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第267回 暴れることが兄のストレス解消】
ライターのツガエマナミコさんが、57才で若年性認知症を発症した兄との2人暮らしを続けて8年以上の年月が過ぎました。どんどん症状が進行した兄のケアやサポートは、それはそれは大変なこと。施設に兄を任せていいか迷いに迷い、決意して申し込みをしても断れ…。紆余曲折がありました。そして、いま、兄が施設入所をするときが目前に迫ってきました。この入所を待ちかねていたマナミコさんでしたが、いざとなるとさまざまな思いが去来するようです。

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「弱い犬ほどよく吠える…」と思ってみたり
少しばかり朝晩の暑さが和らいできた今日このごろでございます。
入所前の、最後のショートステイが終わり、兄が我が家に居られるのも残すところあと10日ほどになりました。
ショートステイのご報告書を読むと、「強い抵抗あり」「手を上げる」「暴言あり」「怒鳴る」「蹴る」「職員の側頭部を思いっきり平手打ち」「入浴時は4人介助」などの文言が並び、かなり手こずらせた様子が伺えます。
送り届けてくださったスタッフの方に「ちょっと先生に相談して新たなお薬を出していただいたほうがいいんじゃないでしょうか」と言われてしまいました。確かに兄の暴言や攻撃性はここのところ日を追うごとに増している気がいたします。
とはいえ、抵抗はオムツ交換や入浴、ベッドと車イスの移乗の際に限ったことで、その他のときは穏やかでお